あらすじ
男は悪役専門の所属俳優。スタッフに気を使いながら、細かい仕事を器用に回し、細々と生活していた。同じ事務所のタカシと現場終わりに楽しく飲んでいると、宮沢賢治の話になる。男は露骨に不快感を示し、賢治は同郷だから飽きるほどやらされた。よだかもプ(ブ)ドリも勝手に飛んでろと吐き捨てる。少し賢治に詳しいタカシはブドリは木こりだと訂正。タカシはなおも賢治の魅力を話そうとするが、男は拒絶し、スタッフの気遣いについてのダメ出しを始める。
男の目標は役名を貰って評価されること。そのために芸名を変え、新しい一歩を踏み出そうとしていた矢先だった。しかし新型コロナウィルスの拡大により、男の運命は変わっていく。その時、かつてユニットを組んでいた座付き作家(友)のLINEの着信があり……。