あらすじ
外周にぐるりと吊るされたカンテラの灯。
骸のように聳えた建造物が立ち並び、天を覆う。
常に空気は薄暗く、陽の光が地を照らすことはない。
――そこは、「カンテラ町」。
青白く揺れる灯がともる町。
その光は、彼岸の者から身を守り、
彼岸の者を逃さない。
風が草木を揺らし、
陽が水面に光る晴天の日。
一人の女性の声で眠っていた男が目覚める。
男は夢を見ていた。
暗闇に灯る青白い光が続く町。
確かに残る、師から受けた拳の感触。
振りかぶる剛拳が討ち倒すべき敵は誰なのか。
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【登場人物】
・九厓(くがい)(♂)
・菖蒲(あやめ)(♀)
・十坐(じゅうざ)(♂)
・劉雲(りゅううん)(♂)
・紫雲(しうん)(♂)