とても優しくて幸せなお話です。
つらいことは全部過去に置いてきて、
ここで描かれているのはとてもとても幸せな日常。
読むとホッとします。
しかし、ここまで物語性が希薄だと
もの足りないのも事実。
痛みや苦味は「昔そんなことがあった」と
ポツリポツリ語られるだけで、
作品の「今」に影を落とすことは殆どありません。
なんだか、糖衣つきのくすりの、中身を取って
糖衣だけ食べた感じです。
むしろ、彼らの過去にまつわるような、
もしくは過去と影響しあうような
ドラマをこそ読んでみたいですね。
それぞれの血縁者や、過去を知る人物が現れたりとか。
人物設定、状況設定、共に非常に魅力的です。
ぜひ、それらを生かすようなストーリーとドラマを。
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