二人芝居「地球でクラムボンが二度ひかったよ」については、これまで十数年ずっと考え続けてきました。松霧布衣着さんにご批判いただいたところを参考に、自身でも納得できないところをどうしてゆくか、推敲を重ねてきましたがどうしてもうまくいかなくて、脚本を非公開にしていた時期もあります。こうなったら改作しかないということで、どうしても矛盾してくる箇所を削って(改作版)にして公開したりもしました。改作版は賢治ほか賢治ファミリー数人プラスアインシュタインが登場する劇で、それなりに完結していて、一度上演されています。そんなままで放置してきたのですが、今年になってあるきっかけがあり、二人芝居をこのまま放棄するのか、それとももう一度推敲に挑戦するかといった選択を迫られました。悩みましたが、最初の思いつき、賢治が地球からとどいた原爆の閃光を今日目にするという最初のイメージを捨てるのがおしくて、もう一度挑戦してみることにしました。最終稿を書くのなら今しかないという思いもありました。その結果がいま公開している二人芝居「地球でクラムボンが二度ひかったよ」です。大々的に手を入れて、なかなか超えられなかった矛盾をどうにかクリアできたのではないかと考えています。賢治の銀河鉄道の幻想はそんなに気にならないという方ならば、許容していただける程度にはなったのではないかと考えています。ということで、また公開に踏み切りました。よろしければ、一度覗いてみてください。
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