ルディ　　・・・悪かった・・・。
子供　　　うぅぅ・・・。僕も・・・一緒に掘るよお墓。
ルディ　　いや、俺だけでいい。
子供　　　・・・見てる。
ルディ　　好きにしろ。
子供　　　・・・大きいね。
ルディ　　・・・掘ってやれなかったんだ・・・。
子供　　　・・・え？
ルディ　　死んだら…墓を掘ってやろうと…。誰にも負けない
　　　　ように。誰もがひとめみて死んだやつのの大きさがわかるくらいの
　　　　でかい墓をほってやろうと。そう思った。人間のように…。
　　　　でも、できなかった・・・。
子供　　誰が・・・死んだの・・・。
ルディ　・・・「白狼」だ。
子供　　「白狼」？
ルディ　俺は何度も助けられた・・・。そして俺は最後まで「白狼」に
　　　　はなれなかった。

　　　　吹雪が最大限に大きくなって「白狼よ」と
　　　　呼ぶ声も大きくなる。ルディがそこに骨を埋める。

ルディ　・・・見えるかよー！どうだ「でかい墓」だろ！

　　　　真っ白な雪でできた墓。

ルディ　これは春になると消えてなくなる。
子供　　お墓なくなるの？
ルディ　大きくてもいつかは無くなってしまう・・・。
子供　　・・・。
ルディ　生きることも同じだ・・・。
子供　　・・・。
ルディ　俺は・・・生きるぞ。
子供　　・・・・・・僕も・・・。

　　　　ルディ、何もいわずに去る。子供もあとを追いかける。
　　　　ディール達が墓の上に立って空を見上げている
　　　　それは本当の白い狼のようであり、たくましく勇ましい。
　　　　遠吠え・・・。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　―幕―


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