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道子「続けたところでいつまでもつか分からないわよ?」
孝弘「それでもいいよ。やるだけやってみて、ダメだったら諦める。
   このままなにもしないで終わりにするのはやっぱりイヤだから。」
道子「…分かったわよ。勝手にしなさい。」
孝弘「ありがとう。」

〇荷物を持って店の奥に行こうとする孝弘と沙織

孝弘「じゃあこれからよろしくお願いします。」
道子「待って!一緒に住むのは嫌よ?」
孝弘・沙織「え?」
道子「どこか安いアパートでも借りてきなさいよ。」
孝弘「なんで?一人じゃ寂しいでしょ?」
道子「だから寂しくなんかないの。家ぐらい一人でゆっくりさせてよ。」
孝弘「分かったよ。しょうがない。まずは住むとこ探さないとだな。」
沙織「ねぇちょっと近く散歩してきていい?」
孝弘「別にいいけど。めちゃめちゃぼろそうなアパート見つかったら連絡宜しく。」
沙織「できればそんなとこ住みたくないけど...。じゃ行ってきます。」

〇店を出ていく沙織

孝弘「夏海も良かったな。すぐにここが無くなることはなくなったし。」
夏海「そうだね。あのさ、今度来たとき、履歴書の書き方教えてくれない?」
孝弘「わかった。」

〇鼻歌を歌いながらすでにしまっていた道具などをもう一度出して準備する道子

〇道子につられて孝弘と夏海も鼻歌を歌う

〇沙織が急いで店の中に入ってくる

沙織「ねぇねぇ!雪!雪降ってきた!」
孝弘「そんなわけないだろ、こんなに暑いのに。」
沙織「ほんとだって!白いのがふわふわって降ってるよ?」
孝弘・道子・夏海「あ。」
沙織「なに?」
孝弘「それは、」
孝弘「ユキムシだよ。」道子「ユキムシね。」夏海「ユキムシだね。」
沙織「え?虫!?虫なのこれ!?触っちゃったじゃん!」
道子「よかった。今年もちゃんと冬が来るのね。」


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