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紅葉「妹の彼氏に手を出すなんてクズだよ、クズの極みだよ。クズの擬人化だよ!クズ娘!」
海美「ウマ娘みたいに言わないで」
早苗「親の顔が見てみたいわ」
海美「昨日見たでしょ。じゃなくて、聞いてよ!確かに誘われて食事には行ったけど、告白なんてされてないし、ましてやOKなんてしてない!」
紅葉「じゃあ、証明してよ」
海美「証明?」
紅葉「今すぐケンジに電話して!」
海美「わ、分かったよ」

   海美、電話をかける。

海美「あ、ケンジさんですか。御法川海美です。この間はどうも。あの、ちょっとお聞きしたいんですけど。私、ケンジさんから告白ってされました?私が気づいてないだけですかね?え?別に私のことは好きじゃない?好きな人の面影を感じて食事に誘ったけど、話しててやっぱり違うなって感じた?ごめんなさいって、ちょっとどういうことですか?ケンジさん?ケンジさーん?」

   電話切れる。倒れ込む海美。

早苗「エピソード3、終わるの早かったね」
海美「うるさい!」
紅葉「どういうこと?浮気相手はウミ姉じゃないの?」
早苗「そういうことみたいね」
紅葉「じゃあ、誰なの?10年以上片思いしてた相手って」

   沈黙。

海美「今、怖い想像が思い浮かんだけど」
早苗「何?」
海美「・・・ケンジさんは、最初にお姉ちゃんと付き合って、その後紅葉と恋人になって、私に好きな人の面影を見た」
紅葉「うん」
海美「でも私たちってそんなに顔似てないよね」
早苗「そうだね」
海美「だけどさ。私たち3人の特徴を持ち合わせてる人が一人、いるよね?」
紅葉「どういうこと?」
早苗「いや、まさか」

   玄関の戸が開く音。3人、ソデに視線を向ける。

早苗「お母さんと」
紅葉「ケンジが」
海美「手をつないでいる・・・」
早苗「まさかのエピソード4」
海美「いや、これエピソードゼロでしょ」

終わり
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