起き上がるヨランダ。
アレックと目が合う。
その瞬間、二人はニヤつき、ほぼ同時に同じことを言った
ヨランダ「それで、」
二人「ちょっとおバカ」
ヨランダ「ふふふ…言ったな、アレック?」
アレック「くくく…ごめんなさい、この前の絡繰り箱で大苦戦している、レティシアさん事件を思い出しまして…く、ふふふっ」
ヨランダ「あはは…黙ってようか」
アレック「くくく…そうですね」
お互いに口元に人差し指を当て、シーと合図する。
ヨランダ「そんな「ちょっとおバカな」レティシアも、次期団長候補か~…」
アレック「風の噂で聞きましたが、本当だったんですね」
ヨランダ「そうよ。ちょっとおバカだけど、みんなから愛されるあの子には丁度良い仕事よ。…さて、若い子に道を譲って、私は退団するわよ」
アレック「はぁ…ヨランダさんの退団が、もう間近なんだなって思っちゃいました。まだまだこの後の公演はありますけど、ヨランダさんから演技の事、もっといっぱい勉強したかったのに!」
ヨランダ「もし、次の劇団での舞台に立てるなら、ちゃんと魅せて教える。レティシアと一緒においで、招待して待ってるよ。絶対に今日みたいなミスはしないし、絶対、後悔させない舞台を見せるから。絶対来て。初心に帰って、新しい舞台に、挑んで見せるから」
アレック「ええ、ヨランダさんの完璧な舞台、楽しみにしてます。まずはこの舞台を、完璧なものに仕上げましょ!」
ヨランダ「…後輩に言いたいこと、言われちゃったわ。全くもう」
遠くから車の停車音が聞こえる。
アレック「お!来ましたよ!」
アレックは舞台から飛び降りる。少し尻込みをするヨランダ。
遠くで、劇場の玄関の開く音がする。
手を差し出すアレック。
アレック「ほら、二人を迎えに行きましょ!」
ヨランダ「…わかった、行きましょ」
舞台から飛び降り、手を取るヨランダ。
アレックが手を引きながら語り掛ける
アレック「ヨランダさん、笑って! 大丈夫ですから、ね!」
ヨランダ「…分かってるわよ、足が痺れただけ」
アレック「ふふっ、じゃあ行きましょ!」
二人が舞台から客席に向かう。
残された舞台の照明はフェードアウトし、暗転
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アレックと目が合う。
その瞬間、二人はニヤつき、ほぼ同時に同じことを言った
ヨランダ「それで、」
二人「ちょっとおバカ」
ヨランダ「ふふふ…言ったな、アレック?」
アレック「くくく…ごめんなさい、この前の絡繰り箱で大苦戦している、レティシアさん事件を思い出しまして…く、ふふふっ」
ヨランダ「あはは…黙ってようか」
アレック「くくく…そうですね」
お互いに口元に人差し指を当て、シーと合図する。
ヨランダ「そんな「ちょっとおバカな」レティシアも、次期団長候補か~…」
アレック「風の噂で聞きましたが、本当だったんですね」
ヨランダ「そうよ。ちょっとおバカだけど、みんなから愛されるあの子には丁度良い仕事よ。…さて、若い子に道を譲って、私は退団するわよ」
アレック「はぁ…ヨランダさんの退団が、もう間近なんだなって思っちゃいました。まだまだこの後の公演はありますけど、ヨランダさんから演技の事、もっといっぱい勉強したかったのに!」
ヨランダ「もし、次の劇団での舞台に立てるなら、ちゃんと魅せて教える。レティシアと一緒においで、招待して待ってるよ。絶対に今日みたいなミスはしないし、絶対、後悔させない舞台を見せるから。絶対来て。初心に帰って、新しい舞台に、挑んで見せるから」
アレック「ええ、ヨランダさんの完璧な舞台、楽しみにしてます。まずはこの舞台を、完璧なものに仕上げましょ!」
ヨランダ「…後輩に言いたいこと、言われちゃったわ。全くもう」
遠くから車の停車音が聞こえる。
アレック「お!来ましたよ!」
アレックは舞台から飛び降りる。少し尻込みをするヨランダ。
遠くで、劇場の玄関の開く音がする。
手を差し出すアレック。
アレック「ほら、二人を迎えに行きましょ!」
ヨランダ「…わかった、行きましょ」
舞台から飛び降り、手を取るヨランダ。
アレックが手を引きながら語り掛ける
アレック「ヨランダさん、笑って! 大丈夫ですから、ね!」
ヨランダ「…分かってるわよ、足が痺れただけ」
アレック「ふふっ、じゃあ行きましょ!」
二人が舞台から客席に向かう。
残された舞台の照明はフェードアウトし、暗転
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