国治　　はい！？
音無　　噂なんか簡単に信じちゃって！気になるんだったら私に直接聞きに来てよ！もう知らない！

　音無、走ってハケる。

国治　　え、あ、音無さん！？
数則　　あーあ。
美吉　　あーあ。
国治　　なんだよ！
数則　　怒らせてやんの。
国治　　どうしろってんだよ！
数則　　でも、まあよかったな。
国治　　は！？どこが！？
数則　　あれ、気づいてねえの？
国治　　だから何がだよ。
数則　　今お前音無さんに怒られたじゃん。
国治　　う、うん。「最初っから最後まで全部間違ってる」って。
数則　　おまえ最初になんて言った？
国治　　え？確か…「俺のこと好きじゃないと思うけど」……あー！
数則　　おめでと。
国治　　ちょ、ちょっと二人ともごめん。俺音無さんに話が！
　
　国治、音無を追いかけて走る。

美吉　　……ただの言葉の綾じゃないの？
数則　　美吉さあ、さっきのタイミングで音無が出てくるのできすぎだと思わなかった？
美吉　　え？尺の関係じゃないの？
数則　　そういうメタな話はしてない。…どっか近くで聞いてないとあのタイミングで出
　　　　てこれねえだろ。
美吉　　え？まさか…。
数則　　ま、国治が女の子とショッピングモールで二人で歩いてるのを見かけて、たまた
　　　　まであった俺を巻き込んで尾行するような奴ならそのくらいするだろ。
美吉　　あ、あの噂ってそういう……。ん？ということは……え、イケ…メン…？
数則　　それ以上はいけない。噂は尾ひれがつくもんだよ。（国治の走った方向を見て）ち
　　　　ゃんと聞けるといいなあいろいろと。

　美吉と数則、ハケる。国治が走って出てくる。舞台の端に音無さんが見える。

国治　　音無さん！君に、聞きたいことが！

　暗転
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　完
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