論「おじさん、すごいのね」
お「そんなことない。現に、君たちは知らなかったろう」
論「それは…ごめん」
お「君たちにはぜひ続けてもらいたい。ギターのない人生はさびしいものだった」
佳「でも」
お「売れたいんじゃなくて、音楽をやりたいんだろう?今日、僕は君たちの音楽を知った。これから、僕のように君たちの音楽に触れる人が増えるかもしれない。それで十分じゃないのかい」
佳「…」
お「ということで、おじさんはそろそろ」
論「今度、おじさんの曲を聞かせて」
お「人を幸せにする、そんな曲だよ」
論「また、会える?」
お「また会えるといいね。その時は聞かせてあげよう」
おじさん、風呂場に去っていく。(ドッキリ看板を持って)
論「ごめんね、佳弥。軽い気持ちであんな嘘吐いて。でもね、あたしは本当に、南谷佳弥と音楽を続けたいの」
佳「あたしも。あたしも、茂地野論とじゃないと意味ない」
論「続けよう、これからも」
佳「うん」
論「ところで話は変わるのだけど、佳弥はどうして戻ってきたんだっけ」
佳「え、何が」
論「いや、だから、一度出ていったのにすぐに戻ってきたじゃん。K点も超えていなかったみたいだし」
佳「K点?」
論「ごめん、K点は聞き流して」
佳「どうしてどうして…。そうだ、論!大変なこと聞いちゃったのよ」
論「そうそう、そんなテンションで入ってきたね」
佳「隣の人への挨拶まだだったでしょ。で、さっきたまたま廊下で会ったのよ」
論「ああ、そういえばまだだったね」
佳「ここ、事故物件だったんだって。だから家賃が破格の安さなのよ」
論「じ、事故物件!?」
佳「何でも、半年前にここに住んでた人が、風呂場で殺害されたらしくって」
論「ええ、怖いよ。マジのヤツじゃん、それ」
佳「ところで論、あたしも聞いていい?」
論「もちのろんだよ」
佳「風呂場に去っていったおじさまは知り合いなんだよね?」
論「まさか。東京に知り合いなんているはずないじゃない。あっはっは。…まさかね」
佳「いや、知らないおじさんと、自室でああも仲良くなったあんたにまさかねだよ」
二人がみていない間に、おじさんがドッキリ看板を置きに戻ってくる。
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お「そんなことない。現に、君たちは知らなかったろう」
論「それは…ごめん」
お「君たちにはぜひ続けてもらいたい。ギターのない人生はさびしいものだった」
佳「でも」
お「売れたいんじゃなくて、音楽をやりたいんだろう?今日、僕は君たちの音楽を知った。これから、僕のように君たちの音楽に触れる人が増えるかもしれない。それで十分じゃないのかい」
佳「…」
お「ということで、おじさんはそろそろ」
論「今度、おじさんの曲を聞かせて」
お「人を幸せにする、そんな曲だよ」
論「また、会える?」
お「また会えるといいね。その時は聞かせてあげよう」
おじさん、風呂場に去っていく。(ドッキリ看板を持って)
論「ごめんね、佳弥。軽い気持ちであんな嘘吐いて。でもね、あたしは本当に、南谷佳弥と音楽を続けたいの」
佳「あたしも。あたしも、茂地野論とじゃないと意味ない」
論「続けよう、これからも」
佳「うん」
論「ところで話は変わるのだけど、佳弥はどうして戻ってきたんだっけ」
佳「え、何が」
論「いや、だから、一度出ていったのにすぐに戻ってきたじゃん。K点も超えていなかったみたいだし」
佳「K点?」
論「ごめん、K点は聞き流して」
佳「どうしてどうして…。そうだ、論!大変なこと聞いちゃったのよ」
論「そうそう、そんなテンションで入ってきたね」
佳「隣の人への挨拶まだだったでしょ。で、さっきたまたま廊下で会ったのよ」
論「ああ、そういえばまだだったね」
佳「ここ、事故物件だったんだって。だから家賃が破格の安さなのよ」
論「じ、事故物件!?」
佳「何でも、半年前にここに住んでた人が、風呂場で殺害されたらしくって」
論「ええ、怖いよ。マジのヤツじゃん、それ」
佳「ところで論、あたしも聞いていい?」
論「もちのろんだよ」
佳「風呂場に去っていったおじさまは知り合いなんだよね?」
論「まさか。東京に知り合いなんているはずないじゃない。あっはっは。…まさかね」
佳「いや、知らないおじさんと、自室でああも仲良くなったあんたにまさかねだよ」
二人がみていない間に、おじさんがドッキリ看板を置きに戻ってくる。
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