Heart to Heart
〜かけがえのない存在〜
Heart to Heart
~かけがえのない存在~
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登場人物
浦島一樹(うらしま かずき)
竜宮亀太郎(たつみや かめたろう)
竜宮乙姫(たつみや おとひめ)
柏葉大和(かしば やまと)
深海舞(ふかみ まい)


一樹:(声)世界には自分が思っている当然のこと以外のほうが多く存在している。
   それは自分の考えと相手の考えが食い違うように。あなたの思っているそれが
   決して当たり前だと思うな。
「一樹と大和の家」
明かりがつくと、部屋で本を読んでいる一樹とゲームに夢中の大和がいる
一樹:この概念をもつことができるかどうかで人は成長する。
大和:(ゲームに対して)あっ、くそっ。
一樹:しかし、ごく稀に初めからこの概念を持ち合わせている人もいる。
大和:(ゲームに対して)ばかっ!こっちくんなって!
一樹:だがその人は決してそのことに気づかない。
大和:うっわっ!!やられた…。(懲りずに再戦)
 一樹は本を見ながら、大和はゲームをしながら
一樹:どう思う?
大和:なにが?
一樹:大和持ってる?
大和:持ってねーよ。だから今がんばってんだろ。
一樹:そっか…。オレは持ってんのかな?
大和:なに言ってんだよ。持ってるわけねーだろ。
一樹:そっか…。オレもがんばればなんとかなるかな?
大和:なるわけねーだろ。
一樹:そんなのわかんないだろ?
大和:わかるっつーの!ソフト持ってないお前がなんで「ブラックドラゴンの爪」
持ってんだよ!
一樹:違うってば!ゲームじゃなくてこっち。(本を見せる)
大和:…「哲学」?
一樹:人は自分では気づかない概念を持ってることがあるんだって。
   それってなんかカッコイイよね。
大和:俺にはわかんねーけど。
一樹:知らないうちに成長してたらいいんだけどな。
大和:その本ってさぁ、授業で勧められてたやつだろ?よく読む気になるな。
一樹:おもしろいよ。「哲学」。
大和:お前はすぐそうやって影響される。よくないと思うぞ。その癖。
一樹:ゲームばっかしてる大和には言われたくないけどな。
大和:いいか?時代は情報化社会なんだよ。俺がゲームをするのは今の流行を知るためだ。
お前みたいにテレビも見ない、ゲームもしないで本ばっか読んでても
意味ないんだよ。
一樹:そんなことないよ。本からだって情報は入るし、意味がないなんてことはないよ。
大和:本なんかなくてもネットがあればなんでも調べられる。今はケータイだって進化
   してどこにいても調べられるんだよ。
一樹:ケータイだったらオレだって持ってるよ。
大和:見せてみろ。
一樹:何を?
大和:ケータイ。見せてみろ。
 ケータイを渡す一樹
大和:いまどき、誰がこんな昔の持ってんだよ。型落ちでもうどこにも売ってないぞ。
一樹:うるさいな!(ケータイを大和から取る)連絡がとれればそれでいいんだよ。
大和:そんな、ツイッターもスカイプもついてないケータイ、俺だったら
絶対すぐ変えるけどな。
一樹:…。
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