やがて笑談。
ケイ
ロロ
天野
男1
女1
女2



プロローグ

スーツ姿の男1が中央に立っている。

男1「今でも、あの時の・・・あいつの顔ははっきりと思い出す。
僕はこうして巨大なパレードの荒波にもまれつつも、汗水たらして何とか毎日を過ごしている。
ときどき、こんなにがんばってこの葬列のように空っぽな集団に
しがみついている理由がわからなくなることがあるが、でも・・・・・」

にぎやかな声や音が聞こえては遠ざかっていく。



ロロの部屋。奇妙なもので少し散らかっている。
ロロは椅子に座って本を読んでいる。ケイは窓の外を眺めている。

ケイ「また一段とにぎやかだなぁ」
ロロ「フン・・・あーやって楽しいフリをしていないと自分が保てないんだろうな。かわいそうな奴等だ」
ケイ「・・・・でもさ、傍から見てたら本当に楽しそうに見えるな」
ロロ「おいおい、マジで言ってんの?」
ケイ「・・・・・」
ロロ「そんなに参加したければ入れてもらえば良いだろ?
頭を深々とたれて『どうかこの日陰者めをあなた方、人間基準社会に混ぜてくださいって』さ」
ケイ「そんなに言わなくても良いだろ・・・本気で言ったんじゃないさ、あんなパレード好きでもなんでもないね」
ロロ「ふーん。で?今日は何なんだ?」
ケイ「あぁ、あのさ。勉強も一段落したしなんか面白い映画とかあったら教えて欲しいんだけど」
ロロ「映画?」
ケイ「小説とか、漫画でもいいんだけどさ、面白いの」
ロロ「お前はそう簡単に面白いのっていうけどな・・・そんなの人それぞれだろ」
ケイ「それはそうだけどさ、でもロロが面白いっていうやつってたいていすっごく面白いからさ」
ロロ「まぁな。俺はそんじょそこらの薄っぺらな作品を冗談でも面白いだなんていいたくないからなぁ」
ケイ「ふぅん」
ロロ「そうだなぁ・・・じゃあ、これかな」
ケイ「映画?」
ロロ「あぁ、ちょっと前にやってた映画でアメリカじゃあ結構人気だったんだが
あんまり日本じゃ人気が出なかったやつ」
ケイ「ふーん・・・アクション?ホラー?」
ロロ「アクション・・・かな、でも見方によっちゃホラーというかサイコスリラーというか」
ケイ「へぇ・・・じゃあさっそく帰ったら見てみるわ」
ロロ「おう」

ロロ再び本を読み始める。



ケイは色々と物色し始める。

ケイ「お、なんだこれ」

しばらくすると箱を見つけ、何気なく開けてみる。
それが何か解った瞬間に急いで仕舞う。
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