チョウさん
チョウさん


C「こんにちは。長です。
  長っていうのは、僕の名前です。
 
僕の名前は長広里(ちょうひろさと)。
 名字は「長い」と書いて長と読みます。
 
 どうも、長です。

 長っていう名字はどうやら珍しいようで、自己紹介をしても、なぜかみんな一瞬固まります。

 大学を卒業するときに、友達に、
 「で、長くんは結局何人なの?」って訊かれました・・・

 僕はよく、中国人ですか? って訊かれます。

 ──日本人です」


C「って感じでさ、よく日本人じゃないんじゃないかって疑われるんだよね」
A「だって長さんだもの」
B「長さんだもんね」
C「え、どういうことよそれ」
A「だって長さんってなんか、怪しいよね」
C「え?」
B「うん、なんかね、うさんくさいよね」
C「え、なにそれ」
A「え、だって、なんか、ねえ」
B「だってさ、よく中国人に間違えられるようなエピソードあるって言ってたじゃん」
C「あー、うん。自己紹介したら、とりあえず出身はどこですか? って訊かれる」
AB「・・・・・・」
C「なんか、普通の「出身はどこですか?」とニュアンス違うんだよね」
AB「ああ・・・」
A「それはあれだね。「何県出身ですか?」って意味じゃなくて、「どこの国出身ですか?」
  って意味だよね」
B「しょうがないよなあ」
A「しょうがないな」
C「しょうがなくないって。あ、でもさ、電話で対応するときになんか緊張して片言になっちゃうんだよねえ」
AB「中国人かよ」
C「中国人じゃねえよ。
  電話対応しててもさ、「日本語お上手ですね」とか言われるし」
AB「中国人かよ」
C「中国人じゃねえよ。
  なんだよその「中国人かよ」ってつっこみは」
A「だってお前怪しいもん」
B「お前ほんとは何人なんだよ」
C「日本人だよ!
電話で「日本人です」って言ったら、「あ、すみません」とか、「え?」とか言われるしさ。ひどくね?」
AB「怪しいわ」
C「怪しくねえよ」
A「長さんときどき日本語おかしいしさ」
C「おかしくねえよ」
B「じゃあちょっと電話対応やってみ?」

  B、電話をかけるジェスチャー。
  C、電話対応をする。

C「「はい、人事部人事チームの長です」」
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