審判の間
2つの結末
鷲峰隆俊 男
長岡芳樹 男
及川久子 女
永井啓 両
受付 両
受付B 両

机に座った受付がカリカリと何かを書き続けている
その横のソファーに隆俊と芳樹が座り、本を読んでいる芳樹の横でうなだれている
もう一つのソファーには久子が座り、啓は後ろで壁の掲示物なんかを見ている

隆俊「なーあまだかなー」
芳樹「んー」
隆俊「・・・・なー、まだかなー」
芳樹「んー」
隆俊「・・・・・・・・なー、まーだーかーなー!!」
芳樹「うるっさいな!少しくらい黙ってろよ」
隆俊「だってもうどれくらいたったよ?3時間はぜってー過ぎてるぜ!
きっともう一生俺達が呼ばれることなんかなんじゃないか?ずーっとこんなしけた場所で
『なーまだかなー』『んー』を繰り返して暇殺しにされちまうんだあああ!」
芳樹「だー!うるっせぇ!!!」

芳樹、読んでた本を勢いよく閉じ隆俊の胸倉をつかむ

隆俊「わー!タンマタンマ!落ち着けよ芳樹!!
ほら他の人たちの迷惑になるだろ!!」

隆俊が2人を指差すと、久子をあせって目を逸らし
啓は逆に興味を持ち2人に注目する

芳樹「・・・・・・・ちっ」
隆俊「・・・・短気め・・・」

睨みながらつかんでいた手を離し座る
隆俊も服を治して座る

しばらくすると呼び出し音が鳴る

受付「242番の方、準備が出来ましたので前のほうにお願いします」

久子が顔を上げ受付の方に歩いていく

受付「受付表をお預かりします」

何かの紙を渡す

受付「242番、及川久子様ですね
こちらが貴方の成績グラフです、そしてこちらが診断書でございます
あちらの部屋に入ってから、書類をご確認ください。
何が書いてあっても、指示に従っていただきます」

久子が何かの封筒を2つ3つ受け取る
納得のいかないような顔でお辞儀をして、上手にはけていく

隆俊「就活思い出すなぁ・・・なぁ・・・・なんか怖くね?」
芳樹「ん・・・?あぁしょうがないだろ」
隆俊「でーもさ、なーんか納得いかないんだよなー」
芳樹「あー、まぁなぁ」
隆俊「俺達だってさ、好きで乗り込んだわけじゃないんだぜ?
この平成大不況。仕事もない人間達は霞を食べて生きていくわけにもいかない訳じゃん
1/7

面白いと思ったら、続きは全文ダウンロードで!
御利用機種 Windows Macintosh E-mail
E-mail送付希望の方は、アドレス御記入ください。

ホーム