Dance in 校長室
「Dance in 校長室!」
（登場人物）
若草 薫 （遅刻常習トリオ）
荒川 真央（ 〃 ）
中山 千明（ 〃 ）
守岡（教頭先生）
鈴木（教育委員会人事部）
（１）
（幕が上がる。）
（草秀館高校の正門（上手端）に守岡が立っている。）
（守岡は登校してくる生徒たちに挨拶している。）
（登校してくる生徒たちの声の効果音。『教頭先生おはようございます』
という声も聞こえる。）
（始業チャイムが鳴り、そして鳴り終わる。）
（守岡、向こうの方から３人の生徒が走ってくるのに気づき）
守岡 「またあの３人……」
（薫、真央、千明の３人が下手から守岡の前まで駆けて来る）
守岡 「はい、ストッープ。」
薫 「教頭先生！」
真央 「間に合った？」
守岡 「始業チャイムはたった今鳴り終わりました。今日も遅刻ですね。」
薫 「えー、それくらいおまけして下さいよう。」
千明 「お願いします、教頭先生」
真央 「いや、次期校長先生！」
薫 「いよっ、守岡校長先生！」
守岡 「つまらないゴマスリしてるんじゃありません。私は教頭です。次の校長
先生が決まるまで、校長代行を務めているだけです。」
薫 「でも学校中のみんなが言ってますよ。次の校長先生は守岡教頭先生で決
まりだって。」
真央 「なんてたってベテランだし」
千明 「生徒には優しいし」
薫 「先生やＰＴＡからは人望厚いし」
（３人で守岡にすり寄る）
守岡 「おやめなさい。いくらおだてても遅刻は帳消しになりません。はい、順
番にクラスと名前を言いなさい。」
真央 「言わなくても分かってるじゃないですか。」
千明 「私たち常連だし。」
守岡 「こんなことに常連になってどうするの。さあ、規則なんですから順番に
言いなさい。」
薫 「２年７組、若草薫」
守岡 「（書き留めて）はい」
真央 「２年７組、荒川真央」
守岡 「はい」
千明 「２年７組 中山千明」
守岡 「はい、それじゃあ３人とも生徒手帳を出しなさい。」
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