No3の脱獄囚
NO.3の脱獄囚

矢島:男
幸子:女
南波毅:男
警官 横峰守:男
ニュースキャスター:女(声のみ)


部屋

矢島:あー今日も暇だな・・・。特に用事もないし・・・今日は一日寝てるかな。

左隣の部屋から物音

矢島:あれ、隣誰も住んでないのに・・・引っ越してきたのか?
  (壁に耳をつける)声からして男みたいだな・・・良く聞こえないなあ?
  NO.3?・・・もう無理するなよ?・・・もお、意味わかんねえな・・・。
  まあ、いいか。

TVをつける
ニュースの声
昨日未明に○○市の刑務所から男が一人逃走しました。男は○○歳。
囚人番号No.3の死刑囚でした。警察の懸命な捜索が続いています。
市民にも聞き込みを実施し、情報の提供を呼びかけています。

矢島:No.3・・・・むりするな・・・って、あれ?もし、かしてお隣さんが脱獄
   した死刑囚!?いやー。ない。ない。そんなわけは・・・
   でも一応通報しておこうかな?

ピンポーン

矢島:はーい。どちら様でしょうか・・・?
南波:(どすのきいた声で)あの・・・隣に引っ越して来たものですけど・・・。
矢島:えー!!!来るの早くない?!何で、何で?もしかして今の・・・話聞かれた?

ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン

矢島:ああもうっ・・・っはい。
南波:(どすの聞いた声)どうも、となりに引っ越して来た(ためて)南波です。
矢島:はあ・・・・矢島です。(小声)絶対聞かれてるよ・・・。
南波:(くい気味で)あのう、上がってもいいでしょうか?
矢島:いやあ、散らかってるからなあ・・・。
南波:(一歩前に動いて、くい気味で)上がってもよろしいですか!
矢島:でもお、今は・・・
南波:(一歩前に動いて、くい気味で)上がってもよろしいですか!!!
矢島:どうぞ!・・・っていうかもう上がってるでしょ!
南波:(くい気味で)あの、引越しということでそばをもってきました。
矢島:はあ、ありがとうございます。
南波:(くい気味で)作っていいですか?
矢島:はあ?
南波:そば作ってもいいですか!
矢島:何で!
南波:そばだけは・・・そばだけは・・・。
矢島:分かりました!どうぞ!
南波:台所お借りします。
矢島:どうぞ!僕はちょっとトイレに・・・あの、勝手に作ってていいんで・・・。
矢島:(独り言)一体あの人は何なんだよもう(下手にはける)あ!携帯忘れた!

トイレにいっている間に南波が胸のペースメーカーを確認する。
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