あらすじ
私が転入した中学校に、皆から『天使』と呼ばれているちょっとアブないコ、天野浩美がいた。
彼女には人には見えない『天使』がついていて、その天使が彼女と私が親友になると予言したらしい。
ところがクラスメートが真相を語ってくれた。昨年、山瀬真一という少年が物故した直後、「山瀬真一が自分に取り付いた」「天使が見える」と触れ回り学校中を混乱させたのが天野浩美だったと。今では誰にも相手にされないから、彼女は何も知らない転校生の私に目を付けたのだろうか。裏切られた私は、天野浩美との絶交を決めた。
『天使』の話は真実だった。『天使』は、友人が作れない彼女をずっと心配していたのだ。
天野浩美は絶交されたことで絶望し、自殺を決意する。私は『天使』の導きで学校の屋上に駆け上がり、飛び降りようとする浩美を止めた。私は浩美を疑っていたことを謝罪した。彼女も、私が『天使』と話したことを聞いて喜び、友情が復活する。
そして、二人を祝福するように『天使』=真一が姿を現した。でもそれは浩美と真一の別れの時でもあった。