マサルの1日
 「マサルの1日」 中島清志 作

【キャスト】マサル・・・ごく普通の高校2年生男子。両親とも警察官
            だが、現在父親は単身赴任で不在。

     開幕 深夜である。
     マサルがシルエットの中で机に座り
     ノートパソコンに向かっている。
     しきりと何か操作しているようだ。

     朝になる。
     マサルはいつの間にかベッドで寝ている。
     目覚まし時計がけたたましく鳴る。
     マサルは手探りでそれを探すとスイッチを切る。
     起こしに来た母親と目が合うマサル。

「母さん!
 何で目覚まし時計変えるんだよ!
 ほら、白鳥ミクちゃんの目覚ましがあっただろ?
 どこやったんだよ!
 え?
 今流行ってるアニメのキャラだよ。
 だから、テレビではやってないの。
 パソコンテレビでさ・・・
 母さん知らなくてもいいから。
 ミクちゃんが、『お早う、マサル君』って
 言ってくれる目覚ましだよ。
 せっかく懸賞で当たったんだから、勝手なことすんなよ。
 え?
 こっちの目覚ましなら一発で目が覚めるって?
 ミクちゃんが『お早う』って言ってくれりゃ
 一発で起きるって。
 ・・・母さんがそんな声で言わないでいいよ!
 気色悪いだけだよ、歳を考えろよ!
 あ、いや・・・
 ごめんなさい。
 だから、ミクちゃんの目覚まし、どこにやったんだよ?」

     マサルはハッと気付いて、ある物を布団の下に隠す。

「え?
 い、いやあ・・・
 ホラ、アニメの雑誌だよ。
 最近のアニメ絵ってちょっとえっちなのも多いから
 恥ずかしいかと思ってさあ・・・
 え?
 ティッシュが転がってる?
 あ、ごめん、捨てとくよ。
 昨日から妙に鼻がムズムズしてるんだ。
 花粉症かも知れない。
 はは。
 はははは・・・
 う、うん、わかった
 ちゃんとわかんない所に後で隠しとくからさ。
 絶対捨てちゃダメだよ。
 え?
 あんたの趣味に興味があるって?」
 ちょ、ちょっと、やめてよ!
 後で見てもいいからさ。
 そんな目の前で見られたらイヤに決まってるだろ!
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