幽霊退治、承ります。
『幽霊退治、承ります。』 柳の下のキノコ

 CAST
・水城[MIZUKI]:彫刻部女子部員。一年生。一番の常識人でツッコミ役。キレやすいお年頃。
・高峰[TAKAMINE]:彫刻部男子部員。二年生。基本無気力で少々アブナイ人。準ツッコミ役。
・古山[KOYAMA]:彫刻部女子部長。二年生。なんか変人。男口調。
・桜井[SAKURAI]:石田の彼女。一年生。バカップル。少しお馬鹿さん。
・石田[ISHIDA]:桜井の彼氏。一年生。地味っぽいがちょっと熱い奴。バカップル。ちなみに美術部。
・悪霊[AKURYOU](最後のみ):石田にとり憑いた霊。短気。



 シーン1:塩の香りは海からだけではなく汗かき親父からでも嗅ぎ取れる 

 幕開き。照明少し薄暗い。彫刻部部室、といっても机と椅子しかなく、窓には黒いカーテンがひいてある。

 高峰、机に足を乗っけて熟睡。そこに水城が入ってくる。

水城:「こんにちはー。って、また部室暗くして。高峰先輩、起きて下さい!」

 水城、カーテン開ける。全体照明。

高峰:「うわ、まぶし・・・おい水城、カーテン閉めろ」
水城:「駄目です。ただでさえ部活の未来は暗いのに、部室まで暗くしてどうするんですか。・・・ところで、部長は?」
高峰:「(不機嫌そうに)知んねェよ、あんな堅物女」
古山:「誰が堅物だ」

 古山、水城が来た側から登場。

水城:「あ、部長、こんにちは」
高峰:「お前が呼び出したくせに、遅刻すんなよな」
古山:「委員会があったんだから仕方ないだろ。とりあえず、水城さん、座って。高峰、足降ろして」

 水城と高峰、古山の指示に従う。古山も座る。

古山:「(咳払い)はい、では今から彫刻部緊急ミーティングを始めます。はい拍手〜」

 3人拍手。高峰はやる気がなさそうに。

古山:「今更だけど、ここは何部ですか?」
水城&高峰「彫刻部です」
古山:「そのとおり!ここは彫刻部。数年前、偉大なる初代彫刻部部長・井上さんが彫刻芸術のさらなる発展のため、美術部から独立して作り上げた偉大なる部だ。
   日々飽きることなく彫刻を創ることに努め、己の腕を磨いていく。なのに、何このありさまは!今年の新入部員は水城さん1人だし、上のその開いてる窓からゴミ
   投げられるし、高峰はなんかアレだし!」
高峰:「おい、アレってなんだよ?」
古山:「というわけで、新入部員の増加と彫刻部の繁栄のため、ある企画を提案します」
高峰:「おい、無視かよ」
水城:「ある企画ってなんですか?」
古山:「水城さん、よくぞ聞いてくれた!これを見よ!!」

 古山、持っていた用紙を広げる。そこには奇妙な絵とデカデカと書かれた[彫刻でリンボーダンス♪]という文字。

古山:「題して、[彫刻でリンボーダンス♪]その名の通り、彫刻を作りながらリンボーダンスをするという、今までにない画期的なパフォーマンスなのだ!!
   これで彫刻部の未来は明るい!どう?水城さん!」
水城:「え?あ、え〜っと・・独創的というか、なんというか・・・」
高峰:「馬鹿じゃねー?」
古山:「なんでだ!」
高峰:「馬鹿なモンは馬鹿としか言いようがねーよ。っつーか、なんだよこの絵。何、この汗だくでキモイ笑顔のジンメンカメムシは?」
古山:「ジンメンカメムシじゃない!これはリンボーダンスしながら彫刻作ってるお前だ!ジンメンカメムシに謝れェ!!」
高峰:「はぁ!?俺?ふざけんじゃねーぞ!!むしろお前が俺とジンメンカメムシに謝れェェェェ!!!」
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