ようこそ デザイン事務所へ
登場人物：マコ（19歳。女）
社長（49歳。男）
キョウコ（28歳。女）
姉（20歳くらい。女）
開幕。薄暗い中、女性の声だけが聞こえる
姉 「あのね・・・私、結婚しようと思うの。そう、この間のお見合いの方。とってもやさしい人なのよ。
見て、素敵でしょ？婚約指輪。今度式場を見に行くの。・・・ええ。私、今とっても幸せよ。」
照明変化。倒産寸前のデザイン会社事務所。デスクの上には雑然と資料が積み重なっている。周りにはいろいろな服が。
普通のワンピースなどから、よく分からない（いつ着るのか分からない）ものまで様々な服が置いてある。
入り口に人が倒れている。そこに社員兼秘書兼受付兼服飾担当のキョウコがやってくる。
キョウコ「・・・・。」
キョウコ辺りを見回す。少し慌てた様子で
キョウコ「・・・生きてる？」
マコ 「・・・どうぞ、おかまいなく。ちょっと仮病の頭痛とめまいと胸焼けと腹痛と腰痛が起きただけです。
あぁ、頭痛が痛い・・・。（再び倒れる）」
キョウコ「・・・そう。」
キョウコ、事務所の鍵を開けて中に入る。荷物を置き、パソコンのスイッチを入れる。パソコンが起動するまでに
窓を開ける、郵便物を分けるなど準備をする。パソコンが起動したら、メールをチェック。
社長兼お茶くみ係兼忘年会幹事兼おもしろ担当（以下、社長）がやってくる。倒れているマコに気づき、
社長 「元気はつらつ？」
マコ 「オフコース」
社長、事務所へと入る。
社長 「ぐっともぉにんぐ！」
キョウコ「おはようございます。」
社長 「今日も暑いねぇ。ホットだねぇ。私がかぶってるのはハットだねぇ。ははははは。」
キョウコ「（だまって仕事を始める）」
社長 「ハッと気づいたらハットをかぶってた。はははははぁ。」
キョウコ「（仕事を続ける）」
社長 「（ハットを脱ぎ、コートを脱ぐ、はたまた暑いなら汗をふくなどをし、おもむろに）これから、朝の会を始めます。礼。」
社長、キョウコ、礼。
社長 「諸君、社訓を高らかに。一！」
キョウコ「誰でもおしゃれ。」
社長 「一！」
キョウコ「気軽におしゃれ。」
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