信長2003
本能寺に原爆を落す日
信長2003 〜本能寺に原爆を落す日〜 ver2.4

原案 M.U.D.(マット運動同好会)
作 白神貴士

 第1章  ナイトランナーの伝説

【ナイトランナーを追え!】

闇に流れる音楽。
笑い声が闇に満ちる。牛骨を頭に被ったアフリカ原住民を思わせる人々のシルエットが浮かぶ。


「八百万と言う。その昔、800万の天津神(あまつがみ)が海を渡り1500万の国津神(くにつがみ)を屠り、
島々を手に入れた。ここOWARIの地でも景行天皇が、牛の顔をして笑い騒ぐ者どもを斬り殺させたという
伝説が残る・・・・時は移りて戦国の世、相次ぐ戦で荒廃した国土の中で、OWARIの森深いデルタ地帯、その
辺境に、国津神の子孫たちがひっそりと暮らしていた。」

牛頭の者達、2〜4組の親子になる。

子(たち)
「ねえ・・ゆうべの足音は何だったの?」
親(たち)
「足音?」

「足音がやって来て屋根を叩き戸口を蹴りつけたじゃない!」

「ああ、あれは"ナイトランナー”だよ。」

「”ないとらんなあ”?」

「ナイトランナーを見てはいけない、目が潰れてしまうからね。呪いがかかって死んだ人もいるからね。」

「恐い人なの?」

「人じゃない、森の精霊が人に入り込んで走り出すのさ。馬より速いスピードでね。ナイトランナーは動物
と話したり、河馬に乗ったりも出来る。人と出会うとナイトランナーは怖ろしい魔法をかける、だから決し
てナイトランナーと出会ってはいけない。足音を聞いても聞こえないふりをするんだ。姿が見えそうになっ
たら目を瞑るんだ。いいね?」

親たち、走り去る。遠くから、ひたひたという足音が聞こえてきて子供達思わず立ち上がる。


「ひとつだけ嘘をつかれたと思った・・。尾張に河馬はいない。・・さて、目と耳を同時に塞ぐにはどうしたら
良いのだろう・・。目を瞑り、耳を指で塞ぐのだ。けれど瞼はあまりにも薄い。風が吹いたらあおられはしな
いか?透けて見えてはしまわないか?・・試行錯誤の末、親指で耳の穴を押さえ、他の指で目を塞いだ。これ
で大丈夫と思ったんだ・・これで大丈夫と思ったんだ・・」

足音、ますます大きくなり、心に反響する。


「けれど大地が震えている・・!けれど空気が叫んでいる・・!ぴょんぴょん飛んでみた、布団にくるまった、
けれど僕らの身体から全てを剥ぎ取ってしまう巨大な力が努力の何もかもを台無しにしてしまった・・・
それは、僕らの好奇心だ!!」

彼方に人影が現れる。叫ぶ。

人影
「なーいとらんなー!!!」

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