あらすじ
題名の「ロングアイランド・アイスティー」というのは、カクテルの名前である。紅茶が一滴も入ってないのに、まるで紅茶のような味のする不思議なカクテル。何種類ものスピリッツが入っていて、その微妙な混合比率で紅茶の味ができる。いわば、お酒の一期一会による奇跡の味。
ところで、この芝居は、別にカクテルの話でも、バーの話でもない。
登場するのは、女が2人と男が1人。ルームメイトの女の子2人の部屋に、突然元カレが訪れる。そして、何の因果か、その3人が、ひと夏を一つ屋根の下で過ごす、という話。
カクテルの「ロングアイランド・アイスティー」が、スピリッツの微妙な配合率の一期一会で作られているように、この芝居も、3人の、かなり味わいの違う人間の一期一会から成り立っている。その3つの味をステアしたら、どんな味のカクテルに仕上がるか? そのあたりを味わってもらえたら、と思う。
恋の味? 青春の味? そうそう単純な味ではない。どうかごゆっくりご賞味あれ。