夏の夜と笑う金魚と水死体




○喫茶店
   女性が入ってくる。仮にA子とする。
   A子(以下、A)はいつもの場所に迷わず座る。店員がくると「いつもの」と頼み出されたお冷を口にする。
   ほんの小さな間。
   時計を見る。
   携帯電話が鳴る。

A  もしもし、どしたの?え?遅れそうなの。…うん、じゃぁ待ってる。はい、わかった

   Aが携帯を机に置くと店員がコーヒーを持ってくる。

A  ありがとう

   腕時計を見る、A。

  間。

   店内に女性が入ってくる。仮にB美とする。
   B美(以下、B)が店内を見渡し座る場所を探している。Aに気がつくB。

B  Aじゃない?
A  へ?
B  私よ、B。高校で一緒だった
A  あぁ!B!
B  思い出した?
A  久しぶり!
B  久しぶりだよね
A  元気だった?
B  もちろん元気よ。そっちは?
A  ぼちぼち、元気
B  今日はどうしたの?
A  人と待ち合わせてるんだけど
B  あ、ひょっとして彼氏?
A  うん、そうなんだけど?
B  なに?どうしたの私お邪魔?
A  ううん、全然そんなことないよ。彼、遅れるって…
B  そうなんだ
A  ここ座らない?
B  え?いいの
A  構わないわ
B  じゃぁ、Aの愛しの彼氏さんが到着するまで
A  もう、茶化さないでよ
B  ごめんごめん、それにしてもAに彼氏が出来るとわね
A  え?そう?高校の時でもいたよ
B  え?!そうなの?
A  知らなかったの?
B  全然気がつかなかった…
A  Bは相変わらず
B  変わらないじゃないの
A  え?
B  変われないの

  間。

A  B、何か頼む?
B  そ、そうね。すみません、私もコーヒー下さい
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