雑貨店うずら日記
雑貨店うずら日記
作/スラッシャー松井

◆登場人物◆
男 2名 / 女 2名

店長(男 26歳)
バイト(女 19歳)
怪しい男(男 45歳)
自殺女(女 24歳)


 ●第一場●
大手チェーン店、雑貨店うずらの休憩室。向かって右端と左端に一つずつドアがある。左のドアは売り場に通じており、もう一方は職員用トイレにっている。部屋の中には事務用の机が一つ。その横に灰色の何の飾り気も無いキャビネットが一つ。中には書類がギッシリ。部屋の中央には、長机が一つと机をはさんで両側にソファが二つ置かれている。
 雑貨店ウズラの宣伝テープが、店内スピーカより流れている。一人の男(店長)が何やら机で書類をいじっている。

店長  「やっぱりおかしいな・・・。売り上げが合わないぞ・・・。千円やそこらならまだしも十万近く合わないからな・・・。」

 店長、ぶつぶつ言いながら書類をいじっている。

店長  「面倒臭え。深く考えると頭がショートする。後回しだ後回し。休憩が先だ。」

 店長、机に置いてあった缶コーヒーを手に取り、別のポケットから何かの用紙を取り出す。

店長  「残り一五〇万か・・・。あとひと踏ん張りだ。待ってろよ、シノブ。」

 店長、ソファに腰掛けて缶コーヒーをすする。

店長  「あ〜、生き返るわ〜。やっぱ仕事の後の一杯は最高だね。」

 店長、新聞紙を広げて読み始める。

店長  「ふ〜・・・ん?なになに、スーパーや小規模な店を狙った強盗事件が多発か。こりゃウチも気を付けないとな。と言っても、ウチは小規模じゃないけどね。・・・お!宝クジの結果載ってるじゃん。確か俺も買ったっけなあ・・・。どこにやったっけ。店に置きっぱなしだったような・・・。」

 店長、立ち上がり宝クジを探し始める。机の引出しから何かを発見する店長。

店長  「おっ!ラッキー。お菓子見〜っけ。そう言えば前ここに入れておいたっけ。賞味期限まだ大丈夫だよな?よっしゃ、誰も来ないうちに食べちまおう。」

 そこへ、バイトが現れる。

バイト 「店長!」
店長  「(びっくりする)だあっ!」
バイト 「イチゴジャムってどこにあるんですか?」
店長  「びっくりしたあ・・・。」
バイト 「店長!」
店長  「洗面器売り場の近く。」
バイト 「イエッサー!」

 バイト、すばやく去っていく。

店長  「心臓、止まるかと思ったよ・・・。」

 店長、お菓子の袋を開ける。

店長  「やっぱ、飲むからにはつまみが無いとねえ〜。飲み物も、コーヒーじゃなくてビールの方がいいんだけど・・・。さすがに仕事中に飲むわけにはいかないし・・・。ま、腹に入れば一緒か。いただきま〜―――」

 バイト、またもや登場。

バイト 「店長!」
店長  「(コーヒーを吐きそうになる)ぶっ!」
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