あらすじ
「僕はひとりぼっちなんです。僕がもし、明日いなくなっても誰も気づかないんです。何もなかったように、平凡な毎日が続いてゆくんです。」
「空が空でなくなるあたり、青が青でなくなるあたりで、溶けるように静かに消えてゆければしあわせだろうなと、そう思うんです。」
「そこにあなたがいてほしいんです。」
あるフリーターの青年が、自分の「存在理由」を求めて、さまよう。その「自分探し」の旅が、山道での愛の逃避行と重なり、二重構造的に物語が展開してゆく。
併せて、崩壊してゆく家庭や、引きこもり、出会い系サイトなどの社会事象が、物語に陰影を加える。