桜色の雪









   桜色の雪               望月秋良









《登場人物》

サクラ(桜)
ユキ(雪)
トオヤ(冬哉)

ツバキ(椿)
ショウ(正)










 プロローグ

  雪が降る寒い冬の夜。
  静かにサイレント・ナイト(クリスマスソング)が流れる街。
  サクラ(桜)とトオヤ(冬哉)が激しく喧嘩をしている。

サクラ それで?全部チャラになるとでも思ってるの?
トオヤ なんだよ、それ。
サクラ 証拠は残ってるのよ。
トオヤ 何が気に入らないんだよ?
サクラ 『今日、会えない?』
トオヤ それは断っただろ。発信履歴も見ろよ。
サクラ 『ゴメン。今日は用事があるんだ。また今度な』
トオヤ …
サクラ 彼女がいる男が、こういうことしていいと思ってるの。
トオヤ その子はただの後輩だって。
サクラ どーだかね。
トオヤ なっ…!
サクラ トオヤ、年下好きだもんねぇ?
トオヤ 俺が好きなのはサクラだけだよ。
サクラ またそうやって調子の良いこと言って!
トオヤ 本心だって!
サクラ 本心?
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