こっち向いてエンジェル!
ラブ・ファクトリー、オン・エンジェル
天使…白いワンピースの天使。頭には花かんむり。
悪魔…黒いワンピースか、ジージャンジーパンの悪魔。
神様…おじいちゃん口調だが時々関西弁が出たり不安定。お調子者。
青野…理科の教師。二十七歳らしい。白衣姿で頼りない。気弱な叔父さん的存在。
生徒A,B,C…見分けつかないだろう。どーせ。でも性格一人ずつ違う。名前つけるな。
シーン0
神様 「そもそもワシが持っているものといっても大抵のものがそれに当てはまる。
そんな中お主たちが気になるのは、なんといってもワシの使い、天使のことじゃろうの。天使は人間には見えないんじゃ。だからこそお主たちにとっては価値があるのじゃ!
そんなことなら悪魔も気になるって?そりゃそうじゃろう、ワシだって気になるわい!・・・・・・え?神様なのになんでわからないんだって?‥‥‥うるさいわい!
悪魔は堕天使の姿だって言われてきて、人間にとっては興味深いものだったらしいがの、どうせ悪魔たちは天使だった頃の記憶なんて忘れておるよ。そりゃ、悪魔は神に反抗したなれの果てなんて言われておるが‥‥‥、まあ、最近は、多様性の時代じゃ。せやかてお主、悪魔も悪魔でワシと仲の良いものだっているんじゃよ?
‥‥‥なに?前置きが長い、って?なんじゃと!ふんっ、それなら今からやめようとしてたわい!
さて、これから語るのは、天使と悪魔、その二人の物語じゃ。甘酸っぱくて、少し切ない、‥‥‥え?おじいちゃんがそういう事を言うと、嫌われる?セクハラ?‥‥‥やかましわ!それならワシの話を聞きに来るんじゃ、なーーい!!」
シーン1
悪魔が一人立っている。
手を何回も、指揮者のように滑らかに動かしている。車の音や、クラクションの音もする。
電話のベルが鳴る。「ハッピーバースデー」。無視していた悪魔が、あまりに鳴るので電話を取り出して、止める。
また鳴り出す。止める。また鳴り出す。止める。何回も繰り返して、イライラしてきて、やっと電話をつなげる。
悪魔 「‥‥‥はいはいこちら悪魔。そっちは?」
神様 『おお、悪魔かいの!調子はどうかね?ワシはげんきっ、』
切る悪魔。だらーんとする。また鳴り出す携帯。今度は止めない。長く鳴りすぎて、やっと出る。
悪魔 「‥‥‥ああ、もう、なに!?私の仕事がそんなに気になるわけ!?」
神様 『気、気になってるわけじゃないわい!知りたいだけじゃ!』
悪魔 「それを“気になる”っていうの!」
神様 『ま、待つんじゃあ!せめて、せめて今日何したかだけでも教えてくれても損はないやろ!』
悪魔 「‥‥‥今日はいつもより仕事をしたわ」
神様 『ほう!どんな?』
悪魔 「まずは街中のネット回線を止めてやったのよ!」
得意げに語る悪魔。
悪魔 「もちろん私の奇跡で、よ。もうみんなイライラね。そのせいで一組の夫婦が離婚したし、反抗期だった二丁目の息子は家出したわ。盗んだバイクで走り出した子もいた」
神様 『ふんふん、他には何じゃ!』
悪魔 「あとトイレ掃除」
神様 『‥‥‥トイレ掃除じゃぁ?』
悪魔 「はあ?だって嫌なんでしょ、トイレ掃除。人間の学校に書いてあったわ。
“みんなの嫌がることをしましょう、トイレ掃除とか”。
おかげでこの辺りの学校のトイレはこの一年間はずっときれいになる奇跡を起こしておいた!」
神様 『‥‥‥それたぶんズレとるぞ‥‥‥』
悪魔 「はあ?なにが」
神様 『他にはあと何があるんじゃ?』
悪魔 「あとはなにもないわね。ああそうだ、人のメガネにべったり指紋はつけたわ」
神様 『‥‥‥』
神様、言葉が見当たらない。
神様 『‥‥‥ま、いいんじゃ‥‥‥』
悪魔 「それでいまは、車を渋滞させてる。もちろん、ラッコを高速道路に大量発生させて、人間を可愛さで止めてるのよ」
神様 『ははあ、なるほどのぉ‥‥‥』
悪魔 「わかったならいいんでしょ?いいんだよね?ばいばい」
神様 『辛気臭いの!せめて“神様、午後の業務も頑張って♡”ぐらいは‥‥‥』
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