あらすじ
※人数・性別は調整できます。上演ご希望の時はご相談ください。
夏休みの最後の夜、生徒会長に声をかけられて旧校舎に集まった五人の生徒。ちょっとした肝試しのつもりが、そこで出会ったのは「言えなかった声」たちでした。皮肉でごまかしてきた思い、名前で呼ばれなかった寂しさ、伝えられなかった感謝、秩序のために押し殺してきた気持ち──それぞれが胸に秘めてきたものが、古い校舎の中で次々にあらわになります。そんな彼らの前に現れるのが、忘れられた声を見守る幽霊の姫。冷たい裁定者のはずの姫も、生徒たちの不器用な告白に少しだけ心を揺らされます。最後まで「完全には信じない」と言い張りながらも、思わず漏らした一言には人間らしい温かさがにじみました。二学期の朝、転校生として現れた姫とともに、新しい毎日が始まります。声は消えず、きっと誰かのそばに残り続けるのです。