あらすじ
響子は、父からピアノの稽古を強制されていたが、ピアノも父も嫌で仕方がない。しかし父が怖くてそんなことを言い出せなかった。そんなある日、「二日後の二月十四日に世界が終わる」という天啓が降ってくる。それからは父親に反抗できるようにになったが、響子の周りの友達にも「天啓」が下るようになる。響子がいきなり目を覚ます。父は優しく、世界も終わらない。劇が終わるような演出。しかしまた目が覚める。「父が優しく世界が終わらない」という夢を見ていたのだ「世界が終わる前に一つだけ願いが叶うとして、何を願うか」という話になっていき、
ある一人は「このチョコレートケーキを食べた人の願いが一つだけ叶うように」と願い、一人は「自分が死んでも誰かが自分を覚えているように」と願い、響子は「死にたくない」と願い、チョコレートケーキを食べる。世界は終わるが、チョコレートケーキに願ったせいか、誰もいない世界で響子だけはたった一人生き延びる。「自分を覚えていてほしい」と願った者の記憶とともに。絶望する響子は、客席に「誰かいるなら返事をして」と叫ぶ。観客からリアクションがあってもなくても、響子は「やっぱり、誰もいないんだ」と言い、孤独なまま終わる。