あらすじ
これはこの世のことならず
死の雨煙る東京に
新たに噴き出すいにしえの遺恨
人々の手を血で汚す
不倶戴天の胎内より
産声上げし幸薄き恋人
長き夢路をスズカケの
森の雫と散りにけり
大きな戦争があったレイワの終わり。
忘却を恐れる街トーキョーに暮らす少年月影ロミオはある日、死者の集う芝居小屋「ザ・スズカケ」で出会った桜座の女優、花咲ジュリーに恋をしてしまう。しかし彼らは生者と死者、結ばれない宿命であった。街に蔓延る黒船教と母の呪縛、傘で溢れかえる街角に終わりゆくエンゲキの輝き、それはやがて「いつか、どこか」の崩壊へと向かってゆくのだった。