魔女か天使か、その名を呼ぶは…
魔女か天使か、その名を呼ぶは…
  
  作・木の平
    
 ��糸�岩査���
 ・沢口優(さわぐちすぐる)
 就活が全くうまくいかず、ずるずると来ている大学四年生(22歳)。
 ・佐藤智夏(さとうちなつ)
 オカルト大好き女子。魔女の噂を調べている。
 ・相見遼大(あいみりょうた)
 智夏の幼馴染。智夏の言動に振り回されている。
 ��私賢綏�絎����(��ŝ����������帥��)
 フリーのジャーナリスト。智夏の調べる噂に興味を持つ。
 ・天凪レン(あまなぎれん)
 最近中川についた見習い。あまりしゃべらず、帽子と眼鏡をしている。よくいなくなる。
 ・和田道(わたみち)
 その資金力で様々な企業や団体、政治にも影響力がある投資家・起業家。魔女の噂がある。
 ・昼間(ひるま)
 和田道の秘書。
 ��祉�≪��
 魔女。ナマハム・アイと名乗り、智夏たちを連れ去る。生ハムが好きらしい。
  
   中央下手寄りにキューブ二つ
  
  
    
      天凪がコートを着て、キューブに腰をかけて本のようなものを読んでいる
      夕方五時のチャイムが鳴っている
      上手からスーツ姿の沢口が電話をしながら登場
  
   沢口  はい、はい。ありがとうございます。失礼します。…はぁ…。
  
      天凪と目が合い軽く会釈してキューブに座る沢口
      少しの沈黙
  
   天凪  どうかされましたか。
   沢口  …はい?
   天凪  ずいぶん落ち込んでいるようでしたから。
   沢口  あ、いえ…。うまくいかないもんですね、世の中
   天凪  というと、
   沢口  …僕、就活中なんですが、周りの友達がどんどん内定をもらっていく中、自分一人とり残されて。こう見えても成績はよかったんですよ? でも要領はよくなかったのか…。なんだかもう、自分が何に自信を持っていたのかもわからなくなって…。
   天凪  なるほど。
   沢口  あ…すみません。見ず知らずの人に愚痴こぼしちゃって。
   天凪  構いません。私から尋ねましたから。
   沢口  あぁ…はい…。
   天凪  どうでしょう。気分転換に私の話を聞いていきませんか。
   沢口  あ…はい、僕の話も聞いてもらいましたし。是非!
  
      天凪、本を開く
  
   天凪  では……これはとある魔女のお話。昔も昔、大昔。孤独な魔女が庭の手入れをしていると、空から青年が落ちてきました。魔女は驚いて空を見上げましたが、雲一つない快晴でした。魔女は青年をベッドに運び毎日毎日寝る間も惜しみ、看病を続けました。やがてすっかり元気になった青年はお礼にと、魔女の暮らしの手伝いを申し出ました。孤独だった魔女の生活が初めて幸せで包まれました。二人は少しずつ惹かれ合い、新たな命を授かりました。ところが、青年は突然魔女の前から姿を消してしまいました。魔女は再び孤独に耐えながら、必死に子を産みますが、魔女の命の灯火は、そこで消えてしまいました……。
   沢口  ……え? おわり…ですか?
   天凪  いいえ。
   沢口  ですよね? おとぎ話にしてはあまりに残酷…というか、何も起こってない? まだまだ続きがありそうな感じですけど
   天凪  ええ、確かに続きます。
   沢口  聞かせてください! 魔女の子どもはどうなったのか、とか!
   天凪  ですが、今はまだありません。
   沢口  え?
   天凪  この物語の続きは、あなたたちが綴るのですから。
   沢口  …おっしゃっている意味が…
1/18

面白いと思ったら、続きは全文ダウンロードで!
御利用機種 Windows Macintosh E-mail
E-mail送付希望の方は、アドレス御記入ください。

ホーム