あらすじ
20XX年。世界は様々な未知の病が溢れた。多くの病気は原因はおろか対症療法すらわからず、人々は正体不明の脅威に怯えながら暮らしていた。
例えば、背中に羽が生え激痛が走る「天使病」、涙が金平糖となりあふれだし、進行すると記憶を失う「星泣き病」など。
そんな病気達は穢れた病、「穢病(けびょう)」と呼ばれ、罹患者達は酷く忌み嫌われていた。
その中でも恐れられていたのが『消失症候群』。通称『消失病』といい、発症したが最後、約二週間で罹患者の存在自体が消えてしまう。その姿も、その記憶も。「初めから、無かったもの」になってしまう、そんな世にも恐ろしい病。
ほら。ここにも。「無かったことになる」少年が、一人――――。