あらすじ
【孤独を抱える女子中学生二人がUFOを呼ぶ話】
【あらすじ】
2014年8月中旬、福岡県北九州市の某中学校。何をしてもぱっとしない、宇宙好きな中学生の内田まる(14)。クラスでは孤立し、母親のまち子ともうまくいっていない。そんな冴えない中学生活のある日、大月来夏(14)がクラスに転入してくる。来夏は「月から来た」とか「UFOを呼べる」とか、とにかく言いたい放題でクラスを混乱させる。来夏は中心人物の梶に喧嘩を売って腫れ物扱いされるようになるが、特に気にもしていない様子で過ごしている。まち子から「来夏は変わった家庭の子だから近づくな」と忠告されるが、まるは来夏の動じない姿にだんだんと惹かれていく。
文化祭が差し迫り、クラスの出し物は劇に決まる。いじめっ子・チーに脚本の担当を押し付けられるが、来夏が手伝うと手を挙げ、二人での脚本制作がスタートする。早速放課後、居残りして作業をする……かと思いきや、来夏は初っ端からサボりに誘ってくる。コンビニで買い食いしたり、夜の道で遊んだり……。来夏はまるに新しい世界を教えてくれる。初めは抵抗していたまるも、徐々に来夏に心を開いていく。二人で劇の題材を「かぐやひめ」にすることを決め、まるはクラスで初めて自分の意見をちゃんと発信する。賛同してくれるクラスメイトや、応援してくれる先生の後押しもあり、まるは自信をつけていく。
まるはみんなに認めてもらいたい一心で、いつものようにサボりに誘ってくる来夏に苛立ちを覚えるようになる。来夏に連れ出され訪れた水族館で、二人はついに喧嘩をしてしまう。片親のまると肉親が一人もいない来夏は、二人とも孤独を抱えている身でありながら家族構成の差からすれ違う。
帰宅後、些細なことでまち子とも喧嘩してしまう。まるが一人部屋で気持ちを落ち着かせていると、まち子が持病で倒れる。気が動転するまる。元父に連絡を取って、協力してまち子を病院へ運ぶ。幸い大事ではなく、短い入院となる。
その後、ライカは学校へ来なくなる。文化祭は着々と迫り、時間もない中、まるはクラスメイトからの無理な要望を受け入れかけてしまう。周りに認められることと、自分のやりたいことをありのままやることの両立は難しいと知る。
十五夜の日、まるは来夏を探す。来夏は本当にUFOを呼ぼうとしていた。まると来夏は仲直りし、二人でUFOを呼ぶ。来夏は、月へ帰っていく。
文化祭当日、まるは、ライカとのことを反映した「かぐやひめ」をクラスのみんなで上演する。