あらすじ
宇宙飛行士を目指した少年が、
喧嘩したまま宇宙の果てに消えた友達を探して、
時間も距離も超えて会いに行く話です。
SF好きがニヤリとするような仕掛けや、
若年層が抱える人間関係の悩みなどを凝縮し
光速を超えるラストへ向かいます。
役者数が5人と、自由に組める演出で
上演しやすい戯曲かと思います。
是非お手に取って読んでみてください!
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ぼくは人と話すことが苦手だった。
周りの皆はいつだってぼくのことを馬鹿にしたし、
たまに勇気を出しても、傷つくだけだった。
でも秋山くんは、ぼくの話を聞いて
楽しそうに笑ってくれた。
秋山くんは、ぼくに出来た初めての友達だった。
10年後、世界のどこかで
秋山くんを乗せたロケットが打ち上げられた。
彼が皆の期待を背負って地球を去ったその日、
ぼくは本棚に空いた小さな隙間が
永遠に埋まらないことを知った。