あらすじ
小説家を目指す女アミのもとに「厄介な絵本」を翻訳する仕事が回ってくる。なんとこの絵本には、世界中の「翻訳できない言葉」が多用されているのだった。登場人物の声に耳を傾けながら翻訳を進めていくアミ。すると、物語の最後で主人公が夢を諦めるか挑戦するかが曖昧なまま終わっていることに気づく。同時に、絵本の主人公と言葉をかわすことで、自分もまた夢を諦めようとしているとアミは自覚する。その後、彼女は絵本の翻訳を終わらせると、本格的に小説家を目指そうと一歩踏み出すのだった。
※連作短編集『クロスワード』に収録されている物語です。この作品だけで完結していますが、連作短編集『クロスワード』全体をご覧いただくことでよりお楽しみいただけます。