あらすじ
青白いカンテラの灯が揺れる最果ての町とは雪と墨、
当時の都は栄華の道筋を着々と進めていた。
確かな武力を備えるこの地は、かつて一度だけ壊滅的な脅威にさらされた。
名を「天鎖の乱(てんさのらん)」。
都を墜とさんと目論むは太古の悪神を名乗る者が率いる狒狒の大軍。
迎え討つは一騎当千の猛者が集う「七毒」。
歴史に残る大乱は激化を極め、双方に甚大な被害をもたらした。
戦いの幕を下ろしたのは「錠」を操る才女。
彼女の錠は怒りも哀しみも、
かの者の魂も、天さえも鎖し得る。
しかし鎖した心の奥底では
ただ凡夫を望んでいることを
誰も知る由もない。
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【登場人物】
・十坐(じゅうざ)♂
当時の「七毒」の一人。
「剛拳」と称される人間の豪傑。
一人娘がいる。
・楪(ゆずりは)♀
当時の「七毒」の一人。
槍術に長け、「雷槍」と称される女傑。
・麻由良(まゆら)♀
当時の「七毒」の一人。
特殊な「錠」を操る才女。
・天墜/浅葱 ♂
(てんつい)狒狒の大軍とともに都へ討ち入った反逆者。
(あさぎ)麻由良の父。