小説家は眼鏡をかけない
    小説家は眼鏡をかけない



    登場人物
女    小説家   冠水日(かむり みか)   本名、鈴木美花(すずき みか)
    小説家のため、外出するのは打ち合わせ、取材、買い物の時程度
    近所に買い物に出た帰りなので、化粧も碌にせずダサ眼鏡とスウェット
    仕事関係で取材を受けるときは髪を結んでコンタクトをしている

少女   読書家   鈴木ましろ(すずき ましろ)
    親に会うつもりで外出。自分が持っている服で一番綺麗なものを選んだ。
    自由時間はいつも読書をする。運動は苦手。すぐに身体が疲れる。
    視力は悪いが、裸眼で過ごしている。さすがに授業中は眼鏡をかける。


    ○公園
    ベッドタウンと化した住宅街にある街区公園
    人通りが少なく、遊具らしい遊具もない公園
    精々鉄棒くらいが設置してある程度の小さな公園



        ■■■開演■■■

    1.プロローグ
    舞台中央にベンチが一つ
    そのベンチに少女が座っている
    少女は本を両手で抱えながら泣いている

    ★照明1 全体明かり ホリゾント淡い青
    女が歩いて来る
    手には菓子類やジュースの入ったコンビニ袋を2つ持っている
    公園の入り口で立ち止まり、少女を見る
    しばらく悩んだ様子を見せるとコンビニ袋の中を確認する



女    「ねえ、お菓子好き?」



    少女、女の顔を見る
    少女、携帯電話を取り出す



女    「ちょちょちょっと待った! いまどこにかけようとしたの」

少女   「……警察」

女    「だよね、そうだよね、いったん待ってもらっていいかな?」



    少女、首を横に振る



女    「だよね、不審者だもんね。わかった、わかったから、ね」
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