僕の声は、いつか届く
(そして今、声は君に届いた)
『僕の声は、いつか届く』

【登場人物】

レン 
ユイ
マナ
シオン
セージ
ルナ
焔の神霊グレンフレア



シーン①
光の霊窟・最深部

シオン「・・・高い霊力を感じる。この扉の奥だ。」
セージ「長かったなぁ・・・俺もう腹減って死にそうだわ。」
ルナ 「では、貴方はそこで死んでて頂いて結構ですわ。
ここから先はわたくしとシオン様だけでやりますので。」
セージ「あーそう。んじゃ、お二人さん後よろしく。」
ルナ 「ただし、貴方には報酬はお分けいたしませんので、そのつもりで。」
セージ「っざけんな!誰のおかげでここまで来られたと思ってんだ!」
ルナ 「貴方のおかげでないことだけは確かですわね。」
セージ「んだと脳筋女!俺の魔法がなかったらてめぇ何回死んでたと思ってんだ!」
ルナ 「誰が脳筋女ですって!この骨男!」

二人のやりとりを見て笑うシオン。

セージ「何笑ってんだよシオン。」
シオン「いや、難易度S級の霊窟の最奥だというのに、君たちは相変わらずだと思ってね。
・・・セージ、これ。」

懐から携帯食を取り出しセージに渡すシオン。

シオン「君の魔法がなくては俺たちはここまで来られなかった。だから、済まないが後もう一踏ん張り頼む。
このクエストが終わって帰ったら、気の済むまで腹いっぱい食べてくれ。もちろん、俺の奢りだ。」
セージ「マジか!?さっすが神様仏様シオン様!俄然やる気出てきたぜぇっ!」
ルナ 「・・・単純な男。」
シオン「ルナ、君の剣が俺の進む道を切り開いてくれるから、俺はSランクの【声霊術師】になれた。
感謝している・・・」
ルナ 「い、いえ!そんな!わたくしなんて特にたいしたことは何も・・・!
今のシオン様があるのは、シオン様ご自身の才と弛まぬ日々の鍛錬がもたらしたもの・・・
わたくしはただ、シオン様をお側で見ていただけで・・・。」
セージ「ほふぁふぇほふぃふぇふふぁふぇっふぇふふぃふふふっふぉふふぁんふぁふぁ」
ルナ 「貴方は黙って食べることに集中していればよろしいのよ!」
セージ「んぐっ!んん!」
ルナ 「もう!ほんとに世話の焼ける・・・はい、お水ですわ!」

ルナから受け取った水筒の水を急いで流しこむセージ

セージ「・・・ぷはぁっ! やべぇやべぇ。マジでここで死ぬところだったぜ・・・。」
ルナ 「ではわたくしは、貴方の命の恩人ということですわね。これで貸しひとつですわ。」
セージ「こんなことで貸しひとつとかってお前、どんだけ器狭いんだよ。
仮にも王族なんだから下々の民にはもうちょっと優しくしろよ脳筋姫。」
ルナ 「貴方はもう少し礼儀を覚えなさい!」

二人のやりとりにまた笑うシオン

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