杪夏


ミナト:(M)8月31日。もうすぐ世界は、終わるらしい。

  ●荒廃した街を歩くミナト
  ●と、突然アイカが現れる

アイカ:久しぶり、ミナト。

ミナト:(面食らって)アイ、カちゃん。あ、ひ、ひさしぶり――

アイカ:どっか行くとこ?一緒してもいいかな。

ミナト:あっ…あ、うん。学校、行くところ。

アイカ:まだあんなとこ通ってるの~?

ミナト:だって、高校生だし。

アイカ:それって誰から見て?親?学校?それとも世間?

ミナト:えぇ……せ、世間…?

アイカ:うわっ見てミナト。あのアベック、白昼堂々お盛んになってるよ。おえー。

ミナト:アベックって…アイカちゃん、聞こえちゃうよ。

アイカ:あー朝から幸先わるい。ミナトの思う世間ってだいぶ前に終わっちゃってるみたいだね。

ミナト:…アイカちゃんだって、まだ制服着てるじゃん。

アイカ:これは、どこに着てくにも便利だからってだけ。優しくしてもらえるし、身分を証明できるでしょ?

ミナト:それ、変なことしてないよね?

アイカ:それは内緒。

ミナト:なんで意味深に伏せるの。どーせアイカちゃんのことだから、そんなことする勇気ないくせに。

アイカ:な、い、しょ。

ミナト:(鼻を鳴らす)

アイカ:ねえミナト。学校なんてサボっちゃおうよ。

ミナト:サボって何するの?

アイカ:んー映画とか。

ミナト:却・下。映画の趣味、合わないの知ってるでしょ?

アイカ:ミナトの趣味に合わせるよ。グロくて怖いの。

ミナト:そんなの、アイカちゃんが退屈じゃん。2人で一緒に好きなもの観るから良いのに。

アイカ:せっかく接待してあげるって言ってんのにー。

ミナト:もっと観る気なくなった!じゃあ、私は学校行くからね。

アイカ:仕方ない。それなら私もついて行っていい?
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