single - mindedly(一意専心)
「 single - mindedly (一意専心) 」 作:つむぎ日向

登場人物 : 博士 ・ 助手 ・ ニュースキャスター
小道具  : カメラ(スマホでも可)(1) ・ 原稿(1)


本編
   開幕。
   研究所の実験室。
   博士が一人、カメラ(スマホ)に向かって話している。

博士 「西暦___年__月__日__曜日。午後二時ぐらい。私はついに、人類史上最も偉大な大発明に成功した。これからその発明品を使った、有人実験を開始する。これはその為の記録映像だ」

    そこに助手がやって来る。

助手 「博士、なんですか急に呼び出して」
博士 「いい所に来た。今から実験を始めるので、君はこれで映像に撮ってくれ」
助手 「はぁ……えっと、実験ってなんの実験です?」
博士 「よくぞ聞いてくれた!それはな……」

    博士、もったいぶる。

博士 「誰にも言うなよ」
助手 「えぇ」
博士 「絶対だぞ」
助手 「分かりましたよ」
博士 「絶対だからな」
助手 「大丈夫です」
博士 「でも絶対」
助手 「だから分かったって!」

    助手に強めに言われて、小さくなる博士。

博士 「ごめんなさい」
助手 「分かればいいんです。で?なんの実験ですか?」
博士 「そうだった……」

    博士、咳払いをして改めて言う。

博士 「(咳払い)私は……なんと!タイムマシンの開発に成功した!」
助手 「……は?」
博士 「タイムマシンの開発に成功した!」
助手 「え?」
博士 「だから!タイムマシンの」
助手 「もう分かりましたよ!えっと、タイムマシンって時を行ったり来たりする、普段は物置に入ってる木製の奴ですか?」
博士 「そうだとして、なんで奇天烈な方を思い浮かべたんだ。それなら普通、引き出しに入ってる方だろ」
助手 「子供の時、好きだったもので」
博士 「あっそうなの……まあ、いかにもそのタイムマシンだよ!」

    自信満々に言う博士。助手、信じてない。

助手 「えぇ~でも、まさかタイムマシンなんて」
博士 「疑う気持ちも分かるが、既に愛犬を使った実験は成功している」
助手 「愛犬?」
博士 「そうだ!我が愛犬アルベルトは、先ほど江戸時代まで行って帰ってきた!そしてこれから、私自らが実験台となり時間旅行をしてくる!君はそれを見ていてくれ」
助手 「なんだか映画みたいですね……あ、この後、銃持った奴らに襲われたりするんじゃ?」

    当たりを警戒し、心配する助手。

博士 「縁起でもない事言うなよ。それだと私、撃たれちゃうじゃないか……だが!もしそんな事があったとしても、時を戻り無かったことにすれば良いだけだ!」
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