buddy
「 buddy 」  作:つむぎ日向

登場人物
LA:ロサンゼルス市警の刑事/日系アメリカ人
JP:日本の警察署(所轄署)の刑事

小道具 :  スマホ(2)


本編

    開幕。
    上手に明かり。
    LAが立っている。モノローグ。

LA 「私はLAPD、ロサンゼルス市警24分署殺人課の刑事だ。一週間前、管轄内の郊外で事件が起き、その捜査の為、日本へやってきた。私の仕事は事件を解決すること。それ以外にはない。そう。その為に、はるばる海を越えたのだ。そのはずなのに……」

    下手に明かり。
    JPが立っている。モノローグ。

JP 「俺は県警刑事部捜査一課強行犯係の刑事。つまりは警察官の中でも花形の役職。ドラマなんかでも扱われる一番カッコいい仕事。のはずが、なぜか俺は今、アメリカから来た刑事と一緒にいる。本来なら映画のような展開だと喜ぶべき所かもしれないが、現実はそう上手くいくものじゃない」

    再びLAのモノローグ。

LA 「私はなぜか、車の通りも少ないバス停にいた。当然バスを待っている為だ。日本人刑事の彼と一緒に……いったい……」
二人 「なんでこんなことに……」

    明転。
    上手と下手にそれぞれバス停がある。
    横断歩道を挟んだ二つの道。
    下手のベンチにJPが不機嫌に腰かけている。

JP 「ったく、なんで俺が……なあ、あんた日本語分かるの?ユーは何しに日本へ?」
LA 「…………」
JP 「はぁ……どうすんだよ」

    イラ立つJP。
    JPの言葉にカタコトで話しかけるLA。

LA 「バス ハ イツクルノ?」
JP 「そろそろのはずだけど……って、あんた日本語分かるの!?」
LA 「YES!ダカラ、ワタシ、ニッポン キタ」
JP 「そうなの。なんだ、早く言ってよ」
LA 「アイサツ ハ ニホンゴ デ シタヨ」
JP 「そうだっけ?まあ、日本語できるなら良いや。なんかあったら言って」

    JPの態度には構わず、LAは話を続ける。

LA 「OK。それで?何故私たちはバスを待っているんだ」

    突然ぺらぺらの日本語で話したLAに驚くJP。

JP 「ビックリした!ペラペラじゃん!」
LA 「祖父が日本人だからな。家では普通に日本語で話すこともある」
JP 「じゃあ、なんでカタコトだったんだよ」
LA 「その方がアメリカ人っぽいかと思って」
JP 「ぽいも何もアメリカ人だろ」

    話を戻るLA。

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