あらすじ
外周にぐるりと吊るされたカンテラの灯。
骸のように聳えた建造物が立ち並び、天を覆う。
常に空気は薄暗く、陽の光が地を照らすことはない。
――そこは、「カンテラ町」。
青白く揺れる灯がともる町。
その光は、彼岸の者から身を守り、
彼岸の者を逃さない。
旧「一番街」に鎮座した巨大な白蛇は
依然として動きを止めている。
外周には祀るように掲げられたカンテラの灯。
町を睥睨するその姿は神々しささえも伺えた。
「神」か「悪鬼」か。
賽の出目に此岸の命運は委ねられている。
どうせこの世は一天地六。
最後はお釈迦様のご気分に任せましょう。
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【登場人物】
・九厓(くがい)(♂)
・黄雲)(きうん)(♂)
・槐(えんじゅ)(♀)
・麻由良(まゆら)(♀)
・荼毘丸(だびまる)(♂)