蝸牛は虚無に這う
■■■【「場面4B」】
   伊藤(目出し帽)・男A、手を縛られた状態で座っている。
   奥のほうで女2が寝ている。

   西、伊藤・男A・女2から離れた場所にいる。

   【SE「鉄の扉をノックする音」】

   西、扉(下手億)に近付いて少し開く。
   【SE「鉄の扉の開閉音」】
   西、扉から外を見る。

西 (扉の外に)ちょっと待ってて。

   西、伊藤に近付く。

西 これ、これね。

   西、伊藤の頭に袋を被せて扉に近付く。

西 (扉の外に)大丈夫。

   男C、中に入って来る。

西 トイレ行きたくない?
伊 え、あー…。行ったほうがいいです?
西 …うん。
伊 じゃあ、はい。あ、ティッシュ持ってきたいです。
西 鞄、開けちゃっていい?
伊 はい。あんまり見ないでくれると嬉しいです。
西 了解。 

   西、目を閉じたまま床を叩いて鞄を探す。

伊 あ、ちょっとなら見てもいいです。

   西、ティッシュを見付けて伊藤に渡す。

伊 どうも。

   西、伊藤を連れて部屋を出て行く。
   男C、西・伊藤の様子を目で追った後、男Aと目が合う。

C …何これ?

   【暗転】  

■■■【プロローグA】【暗転中】【通話(録音)】
A 君まだ30前じゃない。ご両親も健在でしょう?
C まだお年玉くれますね。
A くれよー。
C 僕に言ってます? うちの親に言ってます?
A お金じゃなくて家族くれよー。
C 結婚すればいいじゃないですか。
A 存在する選択肢みたいに言われても。
C 存在しないんですか。
A 今更他人と生活出来る気がしない。  
C じゃあしなくていいじゃないですか。
A うちは両親他界済み、兄弟なし、親族疎遠。そうなると保証人とか頼める相手いない
  んだよ。入院出来ない、レンタカー借りられない。バイト辞めたくても履歴書に緊急
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