嗚呼、明日の私よ。どうか羽ばたいて
本当の自分って、なんだろうか

「嗚呼、明日の私よ。どうか羽ばたいて」

 何の変哲もない女子高校生「陽菜」は、ふと目が覚めると、真っ白な空間にいた。
 現状を理解できず混乱する陽菜の前に現れた、自分の一部だと名乗る「ネクラ」と「ソトヅラ」。
 この空間から戻るための方法を探る中渡された一枚の白い紙。
 『ほんとうの君は、なに?あなたの本当の望みは?』
 自分とは何なのか、自分はいったいどうありたいのか。思春期ならではの主人公が直面する「自分」についての問いの答えを探す、そんな物語。


 陽菜   主人公。誰にでも優しく、でもどこかメンタルが弱い。人前では気丈にふるまっているが一人になると途端に弱い自分があふれ出てくる。争いを嫌う。人に嫌われたくない
 ネクラ  陽菜の一部。ツンデレ。言葉が荒い。ソトヅラに対してあたりが強い。でもどこかお母さん気質。
 ソトヅラ 陽菜の一部。フレンドリーで、パーソナルスペース?そんなの知らない!といった感じの人。自分を否定されるのが、他二人より嫌い。陽キャ。

7月30日修正箇所 陽菜を・ソトヅラ「あんた」・ネクラ「貴方」呼びに変更
          セリフ追加、推敲等々            

 以下本編
 舞台明転。舞台上には陽菜が横たわっている。

陽菜 「ん…ふぁ〜…ってここどこ?!」
陽菜 「……見た感じ何にもない。いや、テーブルとか椅子はあるけれど、なんだろう。真っ白な空間過ぎて何にもないように感じるなあ…。…だ、だれかいませんかー?」
ソトヅラ 「お?起きたんだー!!」
陽菜 「うわあ?!えっ、だれっ?!」

ソトヅラ、上手から登場。陽菜と同じ制服を着ているが白いマントを身に着けている。

陽菜 「……ここ扉ないのにどこから…しかもおんなじ高校の制服…だめだ、わけわかんない…」
ソトヅラ 「おおっと、これは思ったよりも混乱させちゃってるなあ…よし!ネクラ!さっさと出てこよっか!」
ネクラ 「……人をペットみたいに呼ぶのやめてくれない?凄く不快」

ネクラ、下手から登場。陽菜と同じ制服を着ているが、黒いマントを身に着けている。なお手足に包帯が巻いてあるといいです。

ネクラ 「あ、起きたんだ。…どうも」
陽菜 「ど、どうも…?え、また壁から出てきた…」
ネクラ 「細かいこと気にしてばっかだと死にたくなるからやめとけ。てかソトヅラ、あんた自己紹介してないの?」
ソトヅラ 「そういえばしてないな。…私は、そうだな、こいつにソトヅラって呼ばれてるから、そう呼んでいいよ。てかネクラ、死にたくなるって、ブッソウだよ」
ネクラ 「うっさい。ほんとのことなんだしいいでしょ。…わたしはこいつにネクラって呼ばれてるから、それでいい。本体の好きなように呼んでくれても構わないわ」
ソトヅラ 「まーたそうやってそっけなく、だからあんたは…」
陽菜 「あ、あの!!」
ソトヅラ 「おわっ、びっくりした。あ、ごめんね。存在完璧に忘れてたわ」
陽菜 「…まあ、いろいろ言いたいけどいいや。あの、察する感じ、お二人ともこの場所が何なのか知っているんですか?」
ネクラ 「知ってるも何も」
ソトヅラ 「ここ、私たち…いや、あんたの世界みたいなもんだし」
陽菜 「……はあ?」

陽菜、二人から距離をとる

陽菜 「え、なに?最近流行りのデスゲーム?それとも新手の宗教勧誘?え、なに怖いんだけど」
ネクラ 「予想通りの反応だな。さすが本体」
ソトヅラ 「ちぇっ、今回の賭けはネクラの勝ちか。勝てると思ったんだけどなー」
ネクラ 「あんたとは違って、私は本体の本心に近いんだから。当たり前でしょ?」
陽菜 「ちょ、ちょっと待って。この空間が何なのか知っている、ってことだよね?」
ソトヅラ 「うん」
ネクラ 「そうね」
陽菜 「この場所って何なの?それにあなたたちは?てか、本体って?私どうしたらここから出られるの?」
ソトヅラ 「まあまあ落ち着けって。ちゃんと教えてあげるから」
ネクラ 「変に優しくすんなよ」
ソトヅラ 「はいはい。まったく、ネクラは厳しいな。そうだな、何もないし適当に座って話そうか」

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