故郷の夢へ錦を飾る
「故郷の夢へ錦を飾る」

・あらすじ
地元の神社の秋祭り。豚汁とか出るアレ。秋祭りで4人が話すだけ。

・時間
ではけ含めて15分以内

・登場人物
主人公:中富詩真
小学校からの幼馴染:加藤響子
JK:谷崎明海
親戚かもしれないしそうじゃないかもしれない近所のお兄さん:松田裕二

・舞台:椅子複数


・本文
中富:故郷が遠くなっている。大陸が動き今まで電車で行ってたけど飛行機で行くことになったとか、もちろんそういう話ではない。どういうわけだか、帰れなくなった。兎を追いかける山も釣りをする川もなかったけど、確かに故郷、ふるさとと呼べる場所があったのに。なくなってしまった。変わってしまった道を歩くと、あの時一緒に下校した友人がいなくなったように感じる。いつも犬が吠えてきて怖かった道は静かになっていた。私の部屋は家族の部屋となり、慣れない場所でお客さんとして眠る。

 舞台裏から「誰?」「そんな人いないよ」「もーいーかい」「あーした天気にしておくれ」「あー、その先生は転勤して今どこにいたっけなー」「ただいま、今日学校の給食美味しかったんだ」、ふるさと(1番目まで)を歌う声が聞こえる。

中富:やだ、嫌だ、嫌だ、私は、私はどこに帰ればいいの?帰りたい!帰りたい!嫌だ、嫌だ!帰りたい、帰らせてよ・・・

 中富が椅子の上に隠れるように突っ伏し、そのまま眠る。しばらくして、そ〜っと加藤が入ってくる。

加藤:しまりん!!(起こす)
中富:ファッ!!(飛び起きる)びっくりした・・・
加藤:何さぼってんの~?大人二人じゃギリギリだったんだよ〜
中富:い~じゃん、別に。いつもおらんやろ。神輿がちゃんと動けばいいんだし。神様も許してくれるって〜。
加藤:神が許しても私が許さないし。二人じゃすっごい大変だったんだから。
中富:二人?
加藤:しまりんのお姉ちゃんここしばらく帰ってきてないやん。
中富:あー。
加藤:今は井戸端会議タイム。そろそろ子供らが暴れだすから相手しろって言われそう。
中富:あー。
加藤:・・・まだ寝ぼけてる?
中富:うー、あー、多分。

 このタイミングで椅子から起き上がる。

中富:最近寝れなくってさー、許して、きょうこさま
加藤:いつもじゃん。
中富:本当に悪夢ばっかり見て寝れないの
加藤:悪夢見れてるなら寝れてるやん
中富:確かに

 間

中富:じゃなくて!途中で起きちゃうの
加藤:それは辛いなあ
中富:もう本当、ひどい夢だったんだよ。一年の単位の取り忘れが発覚して、先生に相談しようとして大学に向かったら竜巻とともにやってきたサメにサークルの友人が槍で応戦してて、巻き込まれて吹っ飛んで紐なしバンジーからの暇つぶしに開いたツイッターで大学祭4年連続中止のお知らせを見たの!
加藤:ツイッター見てるあたり余裕じゃん
中富:違うんだよ、空から落ちてくるとき暇すぎて暇すぎて
加藤:ちがかないじゃん
中富:ううう
加藤:単位の取り忘れは予知夢かもよ
中富:確認はした、大丈夫だった
加藤:本当に?
中富:たぶん
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