PASTA!!
『PASTA!!』

【登場人物】5名(不問5)
カルボナーラ:真面目。通称「炭焼職人風」。卵、ベーコン、チーズ、黒胡椒を使用。クリームソースの代表格。太めのパスタに合う。
ペペロンチーノ:情熱。ソースは唐辛子、ニンニク、オリーブオイルのみ。唐辛子の赤とパセリの緑がイタリアっぽい。細めのパスタに合う。
ボロネーゼ:お嬢様。金持ちが肉や野菜、ワインを使って贅沢に作らせたのが起源。パスタはタリアテッレ(平打ちパスタ)しか認めない。
ナポリタン:陽気。日本で創作された日本風パスタ料理。タマネギ、ピーマン、ハムなどをトマトケチャップで炒める。冷えても美味い。パスタの太さはオールオッケー。
スパゲッティーニ:イケ麺。デュラム小麦粉のセモリナと水を使用して作られているイタリア発祥の麺類。細長いロングパスタで太さは約1.6ミリ。

【上演時間】10分

【あらすじ】
 カルボナーラとナポリタンとボロネーゼとペペロンチーノはスパゲッティーニ先生と絡まりたい!
 パスタに詳しくなるかもしれない擬人化コメディ!

【本編】

 とある学園の教室。

ナポリタン:ねぇ、カルボナーラ、カルボナーラ!
カルボナーラ:どうしたの、ナポリタン。朝からうるさい。
ナポリタン:新しい先生、今日からだって。
カルボナーラ:ああ、知ってる。校長室に入っていくのを見たから。
ナポリタン:ええええ! 見たの!?
カルボナーラ:うん。
ナポリタン:ど、どんなだった?
カルボナーラ:ふつううううのパスタだったよ。
ナポリタン:普通ってなに、色々あるでしょ。リングイネとかフェットチーネとか。
カルボナーラ:気になるの? あんたパスタなら誰でもいいんじゃなかったの?
ナポリタン:心の準備ってもんがいるでしょ。カルボナーラは、どう絡もうか脳内でシミュレーションしないの?
カルボナーラ:そんなのとっくに終わってる。
ナポリタン:さすがカルボナーラ!
カルボナーラ:ナポリタンは茹ですぎて食感の悪い冷えたパスタでも美味しいんだから、気にすることないよ。
ナポリタン:ひどっ。私にだってこだわりくらいあるんだからね。

 ボロネーゼ登場。

ボロネーゼ:騒がしいですわね。少し静かにしていただけますか。
カルボナーラ:あ、ごめん、ボロネーゼ。うるさかった?
ボロネーゼ:新しい先生が来たくらいで、なにがそんなに嬉しいのかしら。
カルボナーラ:ボロネーゼは気にならないの?
ボロネーゼ:なりません。
ナポリタン:ボロネーゼはタリアテッレ先生みたいな平打ち麺にしか興味がないもんね。
ボロネーゼ:その通りです。タリアテッレ先生こそが至高にして唯一。その他のパスタなんてパスタではありませんわ。
ナポリタン:あんな「きしめん」の何がそんなにいいのか、私にはさっぱりだけど。
ボロネーゼ:タリアテッレ先生を「きしめん」と呼ぶのはやめていただけるかしら! あんなデュラム小麦を使っていない「うどん」なんかと一緒にしないで。
ナポリタン:ごめんごめん。
カルボナーラ:タリアテッレ先生も悪くはないけどさ。
ナポリタン:あれ? カルボナーラもタリアテッレ先生はアリなの?
カルボナーラ:まあアリっちゃアリかな。
ナポリタン:知らなかった。
カルボナーラ:言ってなかったっけ? 私、平打ち麺も嫌いじゃないよ。
ボロネーゼ:ちょっとカルボナーラ、あなたもタリアテッレ先生を狙っているの?
カルボナーラ:ボロネーゼ、目が怖いよ。大丈夫。大丈夫だから。私は基本太めのロングパスタ好きだから。あんたみたいにタリアテッレ先生一筋じゃないから。
ボロネーゼ:ならいいけど。タリアテッレ先生に色目を使ったら、どうなるか覚悟しておきなさい。

 ペペロンチーノ登場。

ペペロンチーノ:おはよー! なに、なんの話? なんで僕抜きで盛り上がってるの?
ナポリタン:あ、ペペロンチーノ、おはよ。
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