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ヒポクリシンドローム

　　　　　　　　ヒポクリシンドローム

　　　　登場人物
朱鐘　　　羽野朱鐘（はの　あかね）
杏　　　栗木杏（くりき　あん）
燕恵　　　大須賀燕恵（おおすか　つばめ）

　　　　○キャンプ場
　　　　湖畔のキャンプ場。
　　　　グランピングやオートキャンプなどを楽しめるキャンプ場。
　　　　バンガローやロッジで林間学校やボーイスカウトなどの利用がある。
　　　　高い標高に位置し、湖畔では空を遮るものが無い。
　　　　舞台はその湖畔キャンプの中でも見通しが悪い不人気の場所。
　　　　テントを立てている人はおらず、管理棟からも遠く、明かりが殆どない。

　　　　Ｍ１「　　　　　　」ｉｎ
　　　　　　　　幕
　　　　◆シーン１．「偽善者」
　　　　山々が色づく秋の季節
　　　　美しい景観も夜になれば身を潜め、月明りが湖畔を照らす
　　　　舞台中央で杏が座っている
　　　　彼女は自分のすぐ隣にランタンライトを置いている
　　　　しばらく湖と星空の境を眺めている
　　　　Ｍ１「　　　　　　」ｏｕｔ
　　　　杏が立ち上がる
　　　　手に握りしめている何かを投げようと振りかぶる
　　　　しかしどうしても投げることが出来ない
　　　　意を決してもう一度投げようと歩き出す

朱鐘　　　「あああああ！」

　　　　朱鐘が駆け込んでくる
　　　　杏は咄嗟に握りしめていたものをポケットに入れる動作

朱鐘　　　「ダメだよ！　まって！　とまって！」

杏　　　「え？」

朱鐘　　　「早まるのはやめて！」

杏　　　「は？」

朱鐘　　　「なにがあったか知らないけど！　いま世界には生きたくても生きられない人がいるの！　だから、あなたは、その人たちの分も生きなきゃダメなの！」

　　　　杏、朱鐘に対して「シー」と静かにするようにジェスチャー

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