ハッピーメリークリスマス
ハッピーメリークリスマス

【登場人物】

・レフト・ターン(男) ターン兄弟の兄の方。好きな食べ物はチー鱈。
・ライト・ターン(男) ターン兄弟の弟の方。好きな食べ物は鮭とば。
・アップ・ルーナ(男) 孤児院で暮らす少年。きょうだい想いで動物をこよなく愛する。
・アット・ラメル(女) 町の名物偏屈婆さん。得意料理はアップルパイ。
・ビロー・クルフ(男) 好青年の大学生。寄って来る女の子が9割メンヘラ。
・フロム・ミミア(女) ライトの元カノ。
・サンタクロース(男) みんな大好きサンタクロース。

※レフト・ライトは双子とする。

【本文】

人気のない路地裏。サンタクロースがきょろきょろと辺りを見回し、背負っていた袋の中身を確認する。そこへ左右から現れ、サンタクロースに銃口を向けてターン兄弟が口を開く。

レフト「ハッピー」
ライト「メリー」
レフト・ライト「「クリスマス!」」

バン!と銃声がしたかと思うと、サンタクロースがその場に倒れこむ。

ライト「裏稼業にしちゃあ簡単だったな、レフト」
レフト「ああ。そうだな、ライト」
ライト「で、コイツが噂の強盗か」
レフト「コイツが噂の強盗だろう。手配書の人相とも一致する」

レフトが足でサンタクロースを転がし、顔と手配書を見比べる。

レフト「まったく、今日はクリスマスだってのに、縁起が悪いにもほどがある。コイツは形だけの偽物だが、サンタクロースってのは神様の使いなんだろう?」
ライト「それは違うぜレフト。確かサンタクロースってのは天使が下界で修行してる姿だって聞いた事がある」
レフト「そうか……まあどっちだっていい。俺たちの仕事は、コイツを始末する事だけだからな」
ライト「そうだなレフト。とっとと死体を持ち帰って報酬を貰って家に帰ろう」
レフト「いや待てライト。コイツの荷物をまるっとガメても構わないんじゃないか?」
ライト「構わないな。死体は身軽な方がお互い都合がいい」

二人が袋を検めるが、ガラクタのようなものしか無かったようだ。

ライト「おいこりゃあどうなってんだ。金目のモンどころか、何の役にも立たねえようなモンしか入ってねえじゃねえか」
レフト「全くその通りだ。どうしてこんなガラクタばっかり……いや。ライト、よく見てみろ」
ライト「どうした?レフト」
レフト「よく見ると、これには全部宛名がついている」
ライト「どういう意味だ?」
レフト「サンタクロースは、俺たち人間が欲しいものを何でもプレゼントしてくれる奴らしい……つまり、この中身全部に宛名がついているって事は」
ライト「俺たちが撃ち殺したコイツは、お尋ね者の強盗じゃなくて……」
レフト「……本物のサンタクロースって事だ」
ライト「マジかよ!どうすんだレフト!もうすっかりコイツはお陀仏だぜ」
レフト「……仕方ない、乗りかかった舟だ。俺たちで、責任を取ろうじゃないか」

場面転換。黒いサンタ服に身を包んだレフトが、呼び鈴を鳴らす。
ライトはさっきと同じ服のまま、少し離れた場所で台車とそれに乗った段ボールと待機している。中には二人が撃ったサンタクロースが詰め込まれているものとする。

レフト「あ〜、ごほん。アップ・ルーナくんは、いるかね?」

どたばたと足音がして、快活そうな少年が扉を開ける。

アップ「そうだよ!オイラがアップだ!……おじさん、誰だい?」
レフト「……申し遅れたね、私はサンタクロースさ。毎日良い子にしている君に、贈り物を届けにやって来たんだよ」
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