間違え探しのThird Person
『間違え探しのThird Person』

登場人物
 男A(通称「ヒー」さん)
 男Aの元彼女(過去では彼女。いい大学に行って,いいところに就職するのが夢。察しがよく,人の気持ちにも切り込んでいったりする。)
 男Aの友人(音楽の世界でそこそこ成功している。過去では男と共に夢を語り合った)
 男Aのクラスメート
 男Aの担任(小学校時代)
 男Aの担任(高校時代)
 男Aの同僚たち
 男Aの編集者(中堅)(一応男Aの最初の持ち込みから対応している。)
 男Aの編集者の同僚(新人)(今年就職1年目の大学出たての22歳。男Aの小説を読む機会があり,世界観を気に入り応援したいと思っている。)
 
 
第0場

 中央に男が座っている。会社のようだ。
 まわりからひそひそ話が聞こえる。

同僚1   ヒーさん,相変わらず存在感ないな。
同僚2   え,あ,いたんだ。気付かなかった。
同僚3   そういや,なんで「ヒーさん」なんですか?
同僚1   え,知らない?いや,ヒーさんってさ,空気どころか空気よりも存在感がないって感じで,誰かが「ヘリウム」って言いだしたんだよ。
同僚3   ヘリウム?
同僚2   風船とかに入れる,めっちゃ軽い気体。
同僚3   あー。
同僚1   けど,「ヘリウムさん」だとちょっと長くて呼びにくいから,元素記号にしようってな。
同僚3   えっと…,どういうことすか?
同僚2   化学ちゃんと勉強してないでしょ。「ヘリウム」って記号で「He(エイチイー)」って書くの。
同僚3   あ,それで「He(ヒー)」なんすね。うまいこという人がいますね。
同僚1   だ~れが最初に言い出したんだっけな~。あ,俺だ~~~!(笑)

 同僚,笑いながら去る。

第1場
 
 舞台は,男の位置は変わらないまま,男の部屋へ

男A   「ヒーさん」か・・・。(「ま,職場での評価なんてどうでもいいさ。さて,それよりも書かないと…。次は・・・。」って感じの演技)

 電話がなる

男A   (男A,電話を見てちょっと複雑そうに)あいつか・・・。

 男A,電話に出る。

男A   もしもし

 友人にスポット
 舞台袖から出てきて

友人   おっす,どうだ調子は。
男A   いや,どうもこうもないよ。珍しいな。お前から電話なんて。
友人   実は,今度ライブがあってよ。
男A   宣伝か。
友人   いや,そういったら元も子もねえけどよ。約束だしな。
男A   ・・・ああ,そうだな。いつなんだ。
友人   ○月□日。場所は△△だ。
男A   そっか。楽しみにしてるよ。
友人   ああ,お前も早くデビューできるといいな。
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