鉄球
鉄球
【登場人物】
A
B
照明が点くと、舞台はあるマンションの一室。家族3人暮らしの一般的な家具が配置されているリビング。下手側と上手側は別の部屋に繋がっている。上手側から、赤ちゃんの泣き声、そしてAとBが赤ちゃんをあやす音が聞こえてくる。
少し経って、赤ちゃんの泣き声は小さくなっていき、次第に聞こえなくなる。それに合わせてAとBの出す音も小さくなる。
音が完全に聞こえなくなってから少し間があって、上手側からAとBがそっと音を立てないように出てくる。そのままゆっくりと舞台中央、テーブルを挟んで、Aが下手側、Bが上手側の椅子に座る。
A: ...大変だ、ほんと。
B:うちの子は特にそう。
A:力、強いし。
B:ほんとに。
A: ...ふう。
B: ...はあ。
少しの間。
B:コーヒー淹れようか。
A:あぁ、お願い。ありがと。
B:ん。
B、立ち上がり舞台奥で作業を始める。Aはなんとなくその姿を見ている。
A:週末、どうしよっか。
B:どうって?
A:お義父さんとお義母さん、来るんでしょ?
B:うん。そうだけど。
A: ...出とこうか?
B:なんで。
A:や、だって、ねえ。...ちょっと気まずいし。
B: ...んー。普通にいてほしいけど。
A: ...そっか。
少しの間。
B:お父さんもお母さんも、怒ってはないじゃん。
A:それは、そうだね。
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